Around YANGON in a day

     朝6時15分に、首筋と腕のカユさのため、目が覚めた。
    毎日、毎日どっからわいて出てくるのでしょうか?この蚊どもは?
    僕は、日本から持ってきたキンカンを塗って対処して、蚊取り線香を焚き、蚊も3匹、殺した。
    もうしばらく寝ていたいが、ほどよい時間になってしまっていたので、食堂へ。
    今日から僕の朝食には、なんと!フルーツが付くのである。なぜならば、自分で買ってきたからだ。
    今日は、バナナを2本食べよう。残りの1本は明日の朝においておこう。

     そして僕は、いつものように、カメラをブラ下げ、ゲストハウスを出た。
    スーレーパゴダ中心に、西へと歩き、朝の活気ある朝市などを見ながら、ヤンゴン国立博物館へ。
    僕は、歴史と美術が大好きな人なので、海外、日本関係なく、博物館や美術館へは、よく行きます。
    入場料の5FEC(=5USドル)を払い、中へ。

    展示数は、このデッカイ建物の割には少なく、展示物も模型が多く、その模型もリアリティーに欠ける。
    ショボ過ぎるぜ、ここ。と思っていた矢先、「獅子の玉座」という展示室へ行くと、神々しい空間が僕の目の前に。

    ガイドブックによると、この玉座は1964年にイギリスから“返還”されたと書いてあるが、イギリスがビルマ(ミャンマーの旧国名)を植民地化するという、意味不明な侵略戦争の時に、パクッタ物だから、返して当然だ。
    イギリスの「大英博物館」なんか、世界各国の盗品(略奪品)を集めたようなもんだ。
    他の物もとっとと返しな。
    そんな事をミャンマーにいる僕は、思った。

    (左)ヤンゴン中央駅 (右)サクラ列車の車内

     博物館を後にした僕は、喫茶店でミルクティーを飲み、休憩した後、ヤンゴン中央駅へ。
    これからヤンゴンの環状線に乗って、ミャンマーの首都、ヤンゴンを一周してみようかと思います。
    切符を買わなければならないので、駅員に尋ねると、7番プラットホームへ行け。と言われたので、行き、「切符を買いたい」と7番プラットホームで言うと、1番プラットホーム(最初の所)へ行け。と言う。
    再び、1番プラットホームへ行き、駅員に尋ねると、切符売り場まで連れて行ってもらった。
    パスポートを提示し、1FECを払って、やっと切符を購入。

     ヤンゴン環状線の列車は、「SAKURA(サクラ) TRAIN」と言って、キレイな名前だが、他の列車と何も変わらない、ボロイ列車だ。
    13:10発の予定のこの列車は、出発時刻になっても発車しません。
    窓際に座っている僕から見える光景は、線路の端で、座りションしている、大人達。
    こういう時は、ロンヂーはめんどくさい。立ちションの解放感を味わえないなんて。
    予定時刻から、約45分遅れで、SAKURA TRAINは出発。

     列車はゆっくりと動き出し、ゴミの山をかき分け、臭いドブ川を走り抜け、いくつかの駅に停車。
    駅に着くたびに人々が、乗り込んでくるので、車内には座れない人たちが多い。
    1/4くらい過ぎた頃から、車窓の風景も郊外へと変わり、乗客の数も減ってきた。
    さらに、しばらく走ると、車窓の風景も、のんびりとした田園風景へと変わっていった。
    今回初の水牛にもお目にかかり、東南アジア的な、いなかの風景が、眼下に広がっている。
    折り返しの駅では、ほとんどの乗客が降り、車内にはチラホラと人がいる程度になった。
    列車は、そんなこと気にもとめず、果てしなく続くかと思われる田園風景を”ガタン・ゴトン”と音を立て、縦や横に揺れながら、走っている。

    (左)駅にて (右)乗り換え風景

     列車は、折り返し駅を少し過ぎた駅で、たくさんの人々を迎え入れた。
    この近くには、市場でもあったのだろうか?みんな、抱えきれないほどの野菜を入れた大きな袋を、入り口から、窓から、放り込んでいる。
    僕が、座っている席の窓からも、荷物が放り込まれている。

    僕はそんな人々を見ていると、突然!女性が窓から、僕に赤ちゃんを手渡した。
    「その子を、あなたの前に座らせて、席をとっといて。」ということらしいが、
    いきなり、赤の他人に、しかも外国人に、こんなことを自然に頼めるなんて、ここの国の人って、
    心が汚れてないんだなぁー。ちょっとうらやましいです。
    僕は、赤ちゃんを僕の前の席に座らし、「バーァ!」なんて言ったりして、あやしてました。
    でも、この赤ん坊、おむつもしてへんし、なんも履いていないので、おしっこでもされたら、どうしよう?

    この駅を境に、列車は各駅に停車するたびに、大きな袋を抱えた、大人や子供が乗り降りしている。
    何でか?デッカイ、タイヤも数本、積み込まれている。
    窓側の席に座っている僕は、駅のホームで人々と、よく目が合うので、子供だったら「バイバイ」したり、大人だったら「ミンガラーパ(こんにちは)」と言ったりしていた。
    みんな、手を振ってくれたり、会釈して返してくれるので、旅行者の僕としては、とてもうれしい。

    郊外の田園風景

    車窓の風景も田園風景から、少しずつ、街の風景へと変わってきている。
    僕はタバコを吸いながら、景色をぼんやり眺めている。
    ミャンマーの人々は、葉っぱを噛んで、赤茶色の唾を、ペッペっと窓から吐き出している。
    これを初めて見たときは、何やコレ?とビックリしましたが、“コオン”と言って、葉っぱに漢方薬やらを包み、口の中に入れて噛む。
    これが、良くは知らないが、体に良いらしい。
    ミャンマーでは近くのオッチャンが、「一服するか?」って感じで、くれるのですが、臭いが嫌いなので、今回の旅では1回も経験しなかった。

     夕暮れの中、都会に吸い込まれるように、列車は終点のヤンゴンを目指し走っている。
    公安(警察)の兄ちゃんが、次はヤンゴンだ。と、とても丁寧に教えてくれた。
    16:15分頃、ヤンゴンに到着。1USドル(=1FEC)のヤンゴン一周半日個人ツアーが終わった。
    列車から降りたりはしていないが、さまざまな風景と出会い、人々の生活の一部分を見ることができ、
    とても充実した、ヤンゴン一周半日個人ツアーでした。




    夕暮れヤンゴン

     ゲストハウスの食堂の窓から見えるスーレーパゴダをスケッチしていた僕は、手を止めて、外へ。
    相変わらず、ゴチャゴチャしているな、ヤンゴンは。
    朝に比べると、路上の店の数も増えている。
    サングラス屋、中古本屋、地図屋、モヒンガー屋、みかん屋など、どの店も、それのみの販売である。
    僕は、路上にあふれかえった、そのような物や人を見ながら、ヤンゴンの町並みをブラブラと歩いていた。

     甘い紅茶を飲もうと思い、一軒の屋外カフェへ。
    ここへは、ここ3日間ほど毎日来ている。

    一昨日は、ここにタバコを置き忘れたのをここの店の少年が、追いかけてきて、わざわざ僕に、届けてくれた。
    そんな心優しい少年がいることもあり、なんとなく来てしまうのです。
    僕は、少年に「tea」と言い、小さなプラスティックのイスに腰を下ろす。
    客は僕一人だけで、店の人は店じまいの準備の最中だ。
    この店には、電力がないため、夕暮れと共に、店を閉める。
    夕暮れと共に、店を閉めるなんて、日本では考えられないな。と甘い紅茶をすすっていた。

     街路樹の影が、道路一面に広がりだした頃、店の前の道路では、少年達が裸足でサッカーを始めだした。
    少年達は、ロンヂーをふんどしのように、器用に束ねて、動きやすくしていた。
    車の通りは少ないが、たまに車が通ると、サッカーは中断。
    ボールを蹴ると、街路樹に当たったりして、思うような所に、ボールは行ってくれないが、みんな楽しく、サッカーをしている。それにしても、足痛くないんかな?
    見ているこっちが、痛くなりそう。

    (左)通りの露店 (右)夕暮れ時のヤンゴン

     紅茶を飲み終えた僕は、100ks(約12円)払い、「ありがとう」と言い、バスや車のクラクションが響き合う、大通りを歩き、ヤンゴン川へ向かった。
    空はオレンジ色に広がり、川を光り輝かせ、家路へと急ぐ人々も美しく見えた。
    午後6時の船着き場には、対岸の家へ帰る人々で賑わっている。
    小さなボート数隻が、行ったり来たりしている。
    ヤンゴンの日常的な風景を、ここで見ている僕は非日常的。

     気持ちが良い夕暮れだったな。と川岸から離れようと歩き出したら、絵はがき&古銭売りの少年2人が、僕に近寄ってきた。
    僕は、どちらもいらないが、少年達はなんとか買ってもらおうと必死だ。
    やっぱりいらないので、「いらない。」と言うと、子供達はお金をくれ、と言ってきた。
    その中の子供の一人が、僕に足の甲を見せた。
    少年の足の甲には、穴が空いていて貫通していた。
    これは事故なのか、同情を買おうとしてのことなのかは、解らないが、
    現在、高額紙幣しか持っていない僕は、「あいにく細かい金はさっき使ってしまった。」と言うと、やっと諦めたらしく、子供達は俺に「バイバイ。」と言って、近くで様子を見ていた母親のもとへ帰った。

    川の近くにて

     川から離れた僕は、再び町中へ。
    スーレーパゴダの東側や西側をブラブラと歩いている。
    今朝、出会った地図屋のオッチャンは、まだ地図を売っている。今日は売れたのだろうか?
    夕暮れになると、イギリス統治時代の重厚な建物が、色鮮やかになり、澄んだ空によく似合う。
    どの通りを歩いても、人々の活気があり、車のクラクションが響いている。
    バス停には、バスを待っている人たちと、屋台が混ざり合い、そんな所をタクシーが、クラクションを鳴らしながら通ったりと、するもんだから、もうゴチャゴチャ。
    しかし、そんな光景も、夕日に照らされていると、何故だかとても美しく見える。
    いいねぇー、ヤンゴンの夕暮れって。

     夕食はいつもの所、居酒屋ヤンゴンだ。
    僕は、ビールを飲みながら、この店に来て、サッカーのTVに夢中になっている男達を眺めていた。
    「お金でも賭けているのだろうか?」というくらい熱い。
    僕は、ビール2杯を飲み、タバコを2本吸って、この店を後にした。
    外はもう、すっかり夜だ。
    闇に包まれたヤンゴンの中で、今夜も光り輝くスーレーパゴダを見上げ、ゲストハウスへ帰った。
    明日は、マンダレーへ行く。