インド人街と中国人街

     朝食はゲストハウスのロビー兼食堂で、小さな食パン3枚とインスタントコーヒー。
    ジャムは必要以上に甘いし、バター?マーガリン?何かよくわからん、黄色の物体もマズイ。
    パンもスカスカ。日本の安い食パンの方が、おいしい。
    朝飯は、美味しくはないがここからは、ヤンゴンの中心となっている、スーレーパゴダがよく見えるので、それを眺めているだけで気分いい。

     午前8時。僕はカメラを持って、外へ出た。
    ミャンマーの人々の通勤時間には、まだちょっと早いのか?人通りもまばらです。
    僕は独立記念碑がある公園の通りをブラブラと歩いていました。
    いつも街を歩くときは、カメラをブラ下げて、歩いているので、写真を撮ってくれと言う人や、撮ってもいいか訪ねると撮らせてくれる人たちが多いので、昨年の中国とは違い、うれしいです。

     タバコでも吸おうかと思い、カバンをゴソゴソするが、めんどくさくなって、近くの路上売店でタバコを2本購入。(20ks、銘柄にもよる。)
    ミャンマーでは、煙草は箱単位でも売っているが、本単位でも買うことができるし、そうしている人達の方が、多いような感じもした。

     僕がタバコを吸っていると、公園の柵の内側から、小さな子供が僕のことを見つめている。
    この子は、着ている服はボロく、くすんでいて、見るからに貧しそうな子供だった。
    子供は僕に向かって、手を差し出し、何かちょうだい。という目で僕を見つめていた。
    ヤンゴンには、このような子供達が多く、金をくれや、物をくれとか、絵はがき売りの少年少女が多い。
    僕は、こういう時はどうしようか?と悩みますが・・・
    今回は、その子供にお菓子をあげて、そのかわりに写真を撮らせてもらった。

    (左)インド人街の屋台にて (右)中国人街にて

     僕は、ガイドブックの地図を見ながら、インド人街を目指していましたが、
    でも、どっからどこまでがインド人街か、分からないので、だいたいである。
    香辛料の臭いもするし、サリーを着ている人達も多く目に付くようになってきたので、
    この辺りなんでしょうか?
    そして、どこからともなく、俺に声をかけてくる。
    僕は、カメラをブラ下げているので、インド人の兄ちゃんと目が合うと「カモーン!」って感じです。
    写真を撮らせてくれると言うか、写真を撮るならば、俺をとりな!って感じで、ポーズを決めてきます。
    中国では、人物の写真を撮るのに苦労していたのに、あんた達って、ほんとに・・・

    昼食をここインド人街で食べたが、僕がテキトーに注文した物は、カレー味ではなかった。
    屋台では、カレーを出している屋台も多かったので、そっちにすれば良かった。

     次の中国人街へ行く途中に、一緒にミャンマーに入国したima君に出会った。
    彼は、ロンヂーにシャンバックと言う、ミャンマースタイルのいでたちである。
    そんな彼と一緒に、路上のカフェで、あの甘いコーヒーを飲みながら、「ヤンゴンって最高、
    みんな民族衣装のロンヂーを着てるし、外国人旅行者も少ないし、楽しいねぇー。」なんて話をして、
    2人で中国人街(チャイナ・タウン)へ。

    ここには、中国寺院があるし、漢字で”金行”と書かれた店も多いので、
    ここが中国人街だなとすぐにわかる。
    屋台などの店では、中国語も通じる。
    中国寺院の中では、幼稚園のような教室を、窓から覗いていると、ここのオッチャンが、
    教室まで案内してくれて中へどうぞ。という素振りをするので、中へ。
    子供達は大はしゃぎでしたが、先生は突然の外国人の来訪に迷惑そうだった。
    子供達の写真を数枚撮った後、僕らはここに長居することなく「謝謝、再見。」と言って、教室を後にした。

    中国寺院にて

     2人でヤンゴン川付近まで歩き、ここでima君と別れ、僕はブラブラと歩き出した。
    ヤンゴン市内の建物は、イギリス植民地時代に建てられ、今は色を塗り直されて、キレイになった重厚な建築達。
    とても異国情緒にあふれた建物達が、夕日に照らされて、さらに鮮やかだ。
    そんな建築を見るのは好きなんですが、ここヤンゴンでは、車にも目がいく。

     今日は、日本の消防車を見た。この消防車は本来の機能は、すっかりと失われて、無駄なものは取り外され、今じゃ、すっかり赤いトラックへと変貌して、ヤンゴンの街にとけ込んでいた。
    消防車も、こんな風に使えるのか。と僕はビックリ。

     夕食は、ミャンマーの居酒屋みたいな所(ベトナムで言うならば、ビア・ホイ)で、ビルマ風チキンカレーとマンダレー生ビールを2杯。(1000ks、約1USドル)
    生ビールが1杯=200ksなのは、うれしい。
    アルコール度数が日本と比べたら、高いと思われるので、2杯でいい感じになった。

    街灯が少ない、ヤンゴンは日が沈むと、本当に夜らしくなる。
    ロウソクで営業している屋台もあるくらいだ。
    そんな中、今夜もスーレーパゴダがライトアップされ、黄金に光り輝いている。



     
    パゴダ

     僕がヤンゴンに滞在した7日間、毎朝行っていた場所が、スーレーパゴダと言う、寺院。
    スーレーパゴダは、ヤンゴンの中心地でもあり、街散策では、迷子にならないための目印にもなります。

     いつものように、僕はゲストハウスの食堂からスーレーパゴダを眺める。
    そして、スーレーパゴダへ行き、サンダルを脱ぎ、冷たい大理石の床を歩き、金箔が貼られた仏塔に「今日もおはよう。」と挨拶をして、手を合わせる。

    仏教国のミャンマーでは、パコダは、とても神聖な場所。
    仕事前、仕事帰りに立ち寄る人達も多い。
    手を合わせたり、お線香やロウソクをたてたりと。
    胡散臭そうなヤツもここでは、善人のようにも見えたりする。

    金色に光り輝く仏塔の周りには、8つの祠があって、8つの神様(仏像)がいる。
    ミャンマーの仏像は、日本のように茶色や灰色の素材のままの色ではなく、どれもこれもカラーなのです。
    なんか日本の仏像のように、偉そうではなく、俗っぽいところがあって、親近感が湧いてきます。

    シェダゴンパゴダ

     朝の参拝を終えた僕は、本日のメインのシュエダゴンパゴダへ行きます。
    今日は、パコダ巡りでもやってみようかと思っています。
    この時期(1月)のヤンゴンは午前中は過ごしやすい気候なので、歩いて行くことにした。
    人に道を尋ねること3回、約40分ほどで、巨大で黄金に光り輝くシュエダゴンパゴダに到着。
    偶然、着いたところが南の参道だったので、ここから僕は入場。
    長い階段の参道の左右には、お土産屋が並んでいる。どの店も同じ様な物が売っている。
    仏像やミャンマー風ダルマなど。
    しばらく歩いていると、どこからともなく、「Ticket!」と係りの人に声をかけられて、5FEC(=5USドル)を払い、胸にシールを貼ってもらい、入場。

    そして、見えてきた!デッカイ!眩しいゼ!
    美しい。これぞ仏教国ミャンマーって光景だ。僕はもう圧倒されてます。
    パゴダも巨大で、美しいのですが、その周囲にある、祠も装飾が色鮮やかで美しい。
    僕も、他の人たちと同じように、裸足で境内をぐるりと歩き始めた。
    「聖なる黄金の塔」シュエダゴンパゴダには、ミャンマー国内から、多くの人々が観光&お参りに訪れます。
    もちろん外国人観光客も。

    ミャンマーの人々は、記念に写真を撮ったり、それぞれの8曜の祠にひざまずき、手を合わせている。
    僕たち日本人は、宗教に依存して生活をしている人は少ないが、ここミャンマーでは、宗教、仏教が生活に密着している。
    スーレーパゴダでは、出勤前にお参りに訪れたり、バスや列車に乗っていて、パゴダが見えると、手を合わせたりと、パゴダがみんなの心の支えになっているように思えた。

    シェダゴンパゴダ境内にて

     再び、徒歩でヤンゴン中心へ戻ってきた僕は、公園の近くで「チェンジ・マニー」と声をかけられ、ミャンマー初の路上での闇両替に挑戦。

    所持金はまだ充分にあったので、5FECを両替した。
    僕は外国人旅行者なので、こういう人たちから、よく声をかけられるが、みんな何故か?小声です。
    みんな、「これは本当は良くないことやねんけれども、しゃーないねん」って感じなのでしょうね。
    お金の受け渡しも、道の隅っこで、人目をはばかるかのように渡す。
    僕には、罪悪感のカケラもありませんが、向こうからすれば、これはちょっとした裏取引なんでしょうか?

     次のパゴダ、ボウタタウンパゴダへ行く途中に、僕は郵便局へ寄った。
    日本に届くかどうか分かりませんが、手紙を出してみようと思います。
    郵便局の真ん前では、堂々と子供達が切手を売っていますが、高額な切手を買わされそうなので、やめた。
    僕は、局内で切手売り場の人に、手紙を見せて、30ksの切手を買った。
    で、どこに出せばいいのだろう?

    子供達が、ポストに入れるんや。と言ってきますが、ポストは汚くて、ボロボロ。
    生ゴミが入っていそうなポストだったので、ためらっていると、偶然、takaさん達と出会い、2階へ行って、スタンプを押してもらって出す。ということを教えてもらった。
    ポストへ入れたら、確実に届かないらしい。
    変な国です、ミャンマーって。

    (左)ボウタタウンパゴダ近くにて (右)ボウタタウンパゴダ

     そして僕は、ヤンゴン川沿いにある、ボウタタウンパゴダへ向かった。
    川沿いの道には、線路が敷かれていますが、電車なんて走ってはおらず、線路も所々、埋まっています。
    そんな線路沿いは、バラック小屋の家があったりと人々の生活の場に変わっています。
    このような道沿いを歩いていると、ボウタタウンパゴダの手前までやって来た。

    このパゴダは、パゴダ内部に入るのに、2USドル(=2FEC)かかりますが、境内を見て、まわるだけならタダです。
    僕は、あまりパゴダは見ずに、敷地内にある、学校のような所が気になったので、行ってみると
    4人の少女と目が合い、少女たちが近づいて来た。
    カメラをブラ下げている僕に、彼女達の熱い視線が送られてくる。
    撮られたがりやの少女達は、ふざけながら、ポーズをきめたりしている。
    「このポーズで写真を撮って、次はこれで、今度は私ね!」って感じです。
    彼女達は、ここへお参りに来た、おばあさんを強引に連れてきて、一緒に写真を撮って!なんて言ってきます。
    フィルムが何枚あっても足りないように感じたので、無理矢理、撮影会を終わらせて、少女達の名前を聞いたが、忘れてしまった。
    でも彼女たちと出会ったおかげで今日は、とても楽しかったです。

    ボウタタウンパゴダを後にした僕は、いつものように、居酒屋ヤンゴンへと向かった。
    僕にとっては、パゴダはミャンマーの人々に触れ合える、素敵な場所でした。