ニャ・チャン ビーチライフ

     僕と日本人旅行者のmasaさんは同じホテルにチェック・インした。
    本来ならば、このままシャワーを浴びて寝たいが、外はもったいないくらい天気が良いので、ビーチの側のカフェで、masaさんと朝食を食べに行くことにした。
    朝食を食べながら、僕達は、旅や昨夜のバスのことでおおいに盛り上がった。
    朝食後、ビーチチェアーのレンタルの値段を聞くと、2脚1組で1日、20,000VNDだったので、昼からは一緒にゴロゴロ、ダラダラとビーチライフをすることにした。

     そういや僕は、バンコクそしてベトナムに来てから、まだ1度も自然と戯れていないし、ましてやゴロゴロとまったりとした時間を過ごすこともなかった。

    AM11:30にロビーで待ち合わせをした僕らはニャ・チャンビーチへ。
    そしてチェアーを借りて、ダラダラ開始。
    最初は色々とお話をしておりましたが、そのうち俺らは眠ってしまい、ダラダラとまったりした時間をすごした。今日は旅の休日です。

     パイナップルを9,000VNDで購入し、10,000VND渡し、お釣りをバナナ15本でもらうなどして、ただただチェアーに寝っ転がって、ダラダラとしていた。少し風がキツイが気持ちいい。
    たまに海に入ったりしたがほとんどゴロゴロと寝ていた。
    こんな風な旅のスタイルも有るんだな。と海を眺めは、寝る。ということを繰り返した。
    欧米人旅行者ばかりだった、このビーチも日が傾き始めた頃には、観光客と地元っ子が入れ替わろうとしていた。

    ニャ・チャンのビーチにて

     ニャ・チャンには当初、行く予定ではなかった。
    しかしフエで会った日本人旅行者が「ニャ・チャン良かったよ。」と言うので、どんな所やろと思い、行ってみることにした。
    こういう事が出来るのが一人旅のいいところだ。
    しかしこんなにもダラダラとまったりした時間をすごすとは思ってなかった。
    きっと一人だと、こんなに長時間もビーチにはいてなかったと思う。
    二人だったからダラダラとまったりと出来たと思う。
    masaさんありがとう。楽しかったです。

     夕方になり、ビーチを引き上げた僕達二人は、晩飯を食べようと、Bia Hoiに入ると、ここは野生動物料理の専門店だった。
    イタチのような動物もいたし、動物の頭部のメニューやウォッカに蛇をつけ込んだ酒もあった。
    僕としては、興味をそそる食材ばかりだったが、僕らは食べ慣れた、動物の肉とビールをたのみ乾杯。
    昨夜の移動もあり、今夜のビールは、また格別にウマイ!
    やっぱり食べ慣れた屋台にほうが落ち着くので、COM(米)、PHO(麺)どっちにするか相談し、僕達は、COMの屋台に行った。
    「やっぱり屋台が落ち着くねェー」と言い、屋台料理に舌鼓。そして帰路につく。

     夕焼けのニャ・チャンはオレンジ色に染まり、キレイだったが
    朝焼けのほうが、海から太陽が昇るので、次の日、見てみようと思ったが、起きられなかった。
    残ったバナナを部屋に持って帰り、放置すること一時間。
    なんと、そこには大量のアリさんが群がっておりました。そのままゴミ箱へ。

    ニャ・チャン




    謎めいた出会い

     昨日一緒にビーチ・ライフを満喫したmasaさんは、僕が起きた頃には、すでに旅立っていた。
    僕は、今日の午前中は観光をする予定なので、準備をしロビーに降り、朝食券をもらう。
    今日の朝食はフランスパンとチーズそしてコーヒーです。なんか最近、朝飯は洋食が多くなってきた。
    食後、ホテル前にたむろしているバイタクと値段交渉。
    タップ・バ(ポー・ナガール塔)まで12,000VNDで成立。
    ベトナムでは初日を除いて、移動では全くタクシーを使っていない。ほとんどバイタクだ。

     タップ・バ(ポー・ナガール塔)は、チャンパ王朝時代の遺跡です。
    タップ・バに到着すると、少女が突然ガイドを始め、俺を案内し始めた。
    少女は右手にポストカードを持っている。手持ちのポストカードがなかったので、帰りに買ってやろうと少女のガイドに付いていくことにした。
    それにしても上手か下手かわからないが、英語でみごとにガイドしてくれた。あんた小さいのにエライ!
    と感心するが、子供も働かなければならないのが現実でもある。

    そういうことでポストカード(絵はがき)を買うことになったが
    50,000VNDは高すぎるのでディスカウント開始。半額の25,000VNDまではまぁーすんなり下がった。
    ここからは少女もなかなか引かない。しかし相場は10,000VND〜15,000VNDだ。
    写真が気に入らないので10,000VNDまでもっていきたいが、ガイドもしてくれたので15,000VNDだ。
    それに今の全財産が70,000VNDで、ここからバイタク代を引くと20,000VNDか30,000VNDしか残らない。
    俺もメシ食いたいし、水も飲みたい。

    タップ・バ(ポー・ナガール塔)

    ポストカードは現在、20,000VNDまで下がった。この金額で手を打ってもよかったが、観光客から金をボッタクル、ベトナム人の商売根性が許せないので、15,000VNDじゃないと買わないと決めた。
    ここで俺は”秘技”「もういらない作戦」をしかけた。
    「そんなら、もうポストカードはいらないから、アッチ行ってと。」
    見事に作戦は成功し俺はポストカードを15,000VNDで購入した。

    待ち合わせの時間通りにバイタクがやって来て、次はホン・チョン岬に行った。
    普通に岩場と海があるだけだったが、岩場ではベトナム人の少年少女が海に飛び込んで遊んでいたのが、あまりにも楽しそうに見えて、俺もそばまで行ってみることにした。
    メッチャ気持ち良さそう。
    少年に「飛び込め、飛び込め」と言われたが、そういうわけにもいきません。
    身につけている紙系が濡れると困る。しかし気持ちよさそうだ。
    飛び込みたい気持ちをなんとか押さえ、俺は「アカン、アカン」と断っていた。
    俺がカメラをぶら下げていたので、少年達は「撮ってくれ!」とカメラの前でピースなんかする。
    ベトナム人もピースすんねや。

     街に戻ってきた俺は、屋台で昼飯。
    麺料理そして食後のチャ・ダー(氷入りベトナム茶)が冷たくてウマイ!
    デザートは違う屋台で、ホイ・アンで、すっかり気に入ってしまったチェー。
    今回は、カスタードとココナッツミルクのチェーです。これもまたウマイ!
    やっとニャ・チャン駅前にやって来たが、なんとなく近くの教会に行ってしまった。
    建物の中には入らなかったが、眺めもいいし、風も気持ちいい。しばらくボケッとすることにした。
    俺はとても臭くなったクツを脱ぎ、ひんやりとした大理石のタイルの上に腰を下ろす。
    太陽の熱で、すっかり熱くなった僕の身体を、冷たい大理石が冷やしてくれる。
    あっー!気持ちいい。動きたくない。

    しばらくして子供が三人やってきて、サッカーを始めた。
    俺も子供達に交じり、たまに参加。ベトナムの子供は人なつっこいネェー。
    遊んでいると教会の中からシスターがやって来て「こんな所でサッカーなんかしたらアカンやろ!」と、俺ら4人をボロクソに怒り、僕らは退散。サッカーも解散。
    そして、やっと俺は駅に到着。1キロにも満たない距離を1時間半もかけてしまった。

    左:ホン・チョン岬にて 右:チェーの屋台

     駅舎へ入り、切符を買おうか、はたまたバスでサイゴンまで行こうか悩んでいた。
    何故ならば、電車の出発は夜で明日一日がヒマなのが嫌なのだ。
    でもバスにした場合、早朝出発は起きられるか不安やし、それにまた悪路だったらイヤヤしなぁー。と悩んでいると、「日本人ですか?」と一人の日本人青年に声をかけられた。

    彼は現在、大学を休学している大阪の青年。電車の時間まであと2時間もあるので話しませんか?と。
    僕も、ここで切符を買おうか悩んでいるだけで、時間があるので、話すことにした。
    僕と大阪青年のnori君とは、これからの旅の日程が似ているので、
    もしかしたら会うかもしれませんネェーと、カンボジアあたりで会うかもなんて話をしていたが、彼とはこれからの旅の行程で何故?エッ!?というくらい運命なのか!?
    と思うくらい出会うことになろうとは、この時は想像もつかなかった。
    そして俺も電車でサイゴンまで行くことに決めた。

     切符を買おうと並んでいると、ベトナム人らしくない身なりがキチッとした女性に声をかけられた。
    彼女は俺が順番待ちをしている間、駅を出たり入ったりとウロウロしていた。
    「いつサイゴンに行くの?」俺は「明日。」と答えると、彼女は「どの電車で?」
    俺はS1のPM9時45分発の電車の時刻表を指すと「私がアナタの分と自分の切符を買うから、一緒にサイゴンまで行きましょう。」と
    言ってくるじゃございませんか。
    俺も何ら不満はないので、「OK。」と答えた。
    しかし電車賃をおごってもらうのは気が引けるので、俺は「お金は自分で払う。」
    と言った。彼女は「じゃあ100,000VND払って。」と言ったので、俺は50,000VND札を2枚出す。
    彼女は俺もまだ見たことがない100,000VND札と足らない分のお金を払い、
    ベトナム人専用切符2枚を購入し、一枚を俺に渡し「じゃぁ、また明日ね。」と言い去って行った。

    俺はナンの事やらよくわからなかったが、彼女はどうも横に座る人を選んでいたように俺には映ったが、果たして、それだけっだたのだろうか?謎です。
    明日の電車での移動が楽しみになってしまっていた俺には、それ以上のことは考えられなかった。

     明日はどうなることやら。
    とりあえず相手に不快感を与えないように、メッチャ臭いクツとTシャツを洗った。