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    Stardust Train (Thao part1)

     今日は夜に電車でサイゴンへ行くのでそれまで特にやることがない。
    ブラブラとビーチへ行き、レストランでレモンジュースを飲みながらガイドブックを読んだりとしていた。
    昼からは高級ホテルのロビーでボケッとしていた。
    昨日、俺と一緒に切符を買った、あの女性は何者なんだろうか?
    地元の人と、このように知り合えたのは、僕にとっては、うれしいが、不安もかなりある。

     夜になり、シクロでニャ・チャン駅まで行ったが、まだ8時40分だ。当然、彼女はまだ来てない。
    9時半になり、昨日の彼女がやって来たが、男となにやら話し込んでいる。
    彼女は、たまに俺の方を見て軽く会釈するだけで、ずっと男と話し込んでいた。
    俺は一人で電車に乗り込んだ。彼女はまだ話しをしている。
    もしかして、男は彼女の恋人で見送りに来ているのか?はたまた男は元彼で彼女を連れ戻しに来たのか?
    あまりのも深刻な様子だったので、端から見ていてそのような事しか考えつかなかった。

     出発ギリギリになり、彼女はやっと電車に乗り込んだ。電車が動き出したころに
    彼女はやっと俺の横の席に座った。この時も軽く会釈しただけだった。
    電車が動き出して30分ほど経ったが、一言も彼女と話していない。
    本当に隣に乗る人を選んでいただけなのだろうか?
    列車の切符を外国人料金ではなく、安いベトナム人料金で買えた事に対して、
    せめてお礼だけでもしたいのだけれども・・・

    ニャ・チャンにて

     それから15分くらい経ったのだろうか、彼女の方から話しかけてきた。
    一言目は何か忘れたが、その後はお互いの自己紹介。俺が日本人であることや、年齢など。
    そしてベトナム語、英語が混じっての会話?
    ベトナムで以前購入した越日辞典は全く役にたたなかった。
    俺は昨日のお礼を言い、ニャ・チャンで買った腕輪をあげた。
    それと、彼女から駅員が近寄ってきても一言も喋らないことを言われた。
    彼女も知っていたのだ。僕らが買った切符は、外国人の俺には適用されないことを。

    彼女は何の目的でサイゴンに行くかわからないが、1ヶ月間もサイゴンにいるらしい。
    2時間ほどコミュニケーションをとり、寝ることにしたが、車内はウルサイ。
    電車の音がうるさくて眠れません。座席は狭いし。確かにこの前のバスよりかはマシやけど。
    あと5時間でサイゴン駅に着く。眠る努力をする。

     結局、俺は一睡もできなかった。彼女もあまり眠れなかったようだ。
    駅に着く頃になると、車内には音が割れた、ベトナム音楽がけたたましく響く。
    とてもウルサイ。腹立つほどウルサイ。

    ニャ・チャンにて

    サイゴン駅に着き、乗客は次々と降り始めた。俺も彼女の後ろを歩き、同じように出ようとしたが、俺は改札の公安に止められ、何か質問された。何を言っているのか当然、俺には分からない。
    公安は俺がベトナム人の切符を持っていたので、不審に思い質問してきたのだ。
    俺も外国人専用切符で乗っていないということが、この国の法律違反であることは知っていたが、うまくきり抜けれると思っていた。「あなた!ちょっとこっちに来なさい!」と言う感じで
    切符の差額分を払わされた。外国人はベトナム人の4倍高い値段でした。
    これがこの国の法律だからムカツク。国がらみで外国人からボッタクっている。

    改札を出ると、彼女が待っていてくれて、バレタことに対して、
    とてもすまなそうに俺に謝っていたが、俺は別にあなたが悪いわけじゃない。
    外国人料金と言う物がおかしいんだよ。と言って、俺達は駅を出た。




    Saigon (Thao part2)

     駅を出た俺達に容赦なくバイタクやタクシードライバーが寄ってくる。
    彼女は、これから何処へ行くのかは、知らないが、俺はせっかく知り合いになった彼女と、このまま別れたくはなく、「もし、よかったらコーヒーでも飲みませんか?」と誘ってみた。
    彼女は「眠たいから、今夜にしない?」と答え、夜7時に待ち合わせをすることになった。
    そして俺達はタクシーに乗った。値段交渉は彼女がした。
    タクシーは何故か?カフェで止まり、俺達は降りた。というか俺は意味不明のまま降ろされた。
    ホー・チ・ミンの安宿街、ファムグーラオ通りへ行くんじゃなかったの?
    まあいい、コーヒー飲みたかったし。

    コーヒーを飲んでいるときも会話?は続き、俺がこれから行くところなどを話した。
    しかし会話はほとんど意味不明で理解できない。彼女の英語はメチャクチャ。
    紙にかいてもらったがスペルもメチャクチャ。言いたいことや、聞きたいことが伝わらない。
    彼女が何故、サイゴンに来たのかさえも、結局は分からなかった。
    彼女が「もう眠たくなくなったので、これからどっかに行かない?」と俺を誘ってきた。
    俺は先に泊まる所を決めたかったので待ち合わせの時間と場所を決めて彼女と別れた。

     1時間半後、待ち合わせ場所の高級ホテルのロビーに行くと、彼女が高級ホテル前をウロウロしている。
    彼女は1時間半前と何も変わってない。荷物も背負ったままだ。
    叔母さんの家があるから、そこへ行くと言っていなかったか?
    そんな彼女は俺に「シャワーを浴びて、服を着替えたい」と言ってくる。
    それはこの1時間半のうちにやっておくことだろ。
    と彼女に言いたかったがどう言っていいのかわからない。
    しょうがないので俺が泊まっているゲストハウスに連れて行き、宿の人に事情をなんとか説明し、彼女は俺の部屋でシャワーを浴び、服を着替えた。

    ホーチミン人民委員会庁舎 
     郵便局前にて

    彼女の荷物を俺の部屋に置いたまま、僕達は出かけた。
    さぁ、どこに行こうか?彼女はかってにシクロのオヤジと話をしている。
    どうやら交渉が成立したようだ。どこに行くのだろうか?全くわかりません。
    多少の不安はあったが、ハノイの時みたいに金をボッタクルことにはならないだろうと、
    彼女と一緒に、行動することにした。

    1台のシクロに体を密着させ二人乗る。
    男が先に座り、男の股の間に女が乗る。密着度100%です。
    これがベトナム人カップルのシクロの乗り方だが、俺はとてもはずかしい。
    もし、知ってるヤツに会ったらどうしようと異国の地でそう思うくらい恥ずかしい。
    しかし彼女は何故か御機嫌だ。

     徒歩よりも遅いスピードで二人を乗せたシクロは歴史博物館に到着。
    10,000VND払い入ったが、そこには10分ほどしかいなかった。
    彼女は何を考え、俺をここに連れてきたのだろう?
    謎が解けぬまま次は隣の動物園へ。このころから彼女は俺にひっついて、腕をくみだす。

    ベンチに座っていると、俺がサイゴンの次に行く地ミ・トーに「私もミー・トーについて行く。」
    などと言い出した。何でやねん!
    俺は一緒に行きたくない。彼女といると金かかりそうやし、一人の方が写真も撮りやすい。
    俺は「とてもBusyでHardだし、服も汚れるよ」と言って彼女を四苦八苦しながら説得した。
    なんとかわかってもらったが、何で俺がこんなふうに言い訳がましいことを言わなアカンねん。
    そしたら次だ、きた!「電話買って」だ。何でやねん!
    彼女は俺と電話で話をしたいと言うが、会話が全くと言っていいほど、出来てないのに何を言うてんねん!見え透いたウソを付くなと。
    これで彼女が、何を目的に俺に近づいたかが解った。

     俺は「欲しかったら自分で買え。」と念を押すように言ったのに、次にシクロが行ったところはケータイ電話ショップ。
    あきれて物も言えない。俺はまた欲しかったら自分で買えと!
    なんで俺がオマエにケータイ買ったらなあかんねん!
    彼女も外人さんは金持ちで、お友達になったら色々と買ってくれると思っている。
    外国人料金といい、彼女といい、お前らどんな教育うけてんねん。
    「あぁホー・チミンよあなたは国民になにを教えたのだ。」

     次に彼女が欲しいと言い出したのは時計だ。
    そして行った先はボッタクリで有名なベンタイン市場。
    俺は彼女に「お金払わないよ、欲しけりゃ自分で買え」と言ったが、彼女はもう聞く耳持たず、時計をあさり始めた。
    そして俺にどれがいい。と聞いてくるが、もう俺はどうでもいい。「I Don't Know.」と俺は言う。
    しかし彼女の腕には調整済みの時計がJust fitしている。オマエ何考えてんねん!
    俺は彼女に近づき財布を見せた。「All moneyです。」
    US1$札が8枚、そして数万VND。これが今の全財産です。
    彼女は本当にビックリして、これだけしか持ってないのとあきれた顔をして、しかたなく時計の代金US24$を自分で払おうとしたが少し足りない。
    しかたないので俺は彼女にUS8$渡し、もう一緒にいたくないと言い、俺の部屋に置いてある荷物を取りに行こうと言った。

     ここから俺が泊まっているゲストハウスまで400メートルくらい。
    しかし彼女は暑いからシクロで行こうと言う。
    歩け!オマエのせいでこっちは金ないねんからな。
    部屋に着き、俺が買ってやったジュースを勢いよく飲んだ彼女は飛び出すように部屋を出ていった。