12月24日(木)

    今日は、この旅で初の1日ツアーで、ヤムドク湖とギャンツェへ。

    朝7時のラサは、まだ暗い。
    日本の感覚で言うと、5時くらいだろうか?

    すでに運転手も到着しており、車に乗り込み出発。ガイドは、途中で拾うと言う。

    ワゴンは、オレンジ色の街灯が、ぼんやりと光る道路を走る。
    まだ明け方なのに、思っていた以上に、車を多く見た。みんな何処へ行くのでしょうか?

    ラサの街の外れにあるガソリンスタンドで給油ついでに、外へ。

    見上げれば、漆黒の夜空に、いくつもの星が散りばめられている。
    そういやラサに来て、夜空を見上げたのは、今日が初めてだった。

    5年前に見たジャーリー・ゴンパで見た夜空には、かなわないが、とても綺麗な夜空だ。

    「あっ!」と思った瞬間、星が尾を引いた。流れ星だ。

    まさか市内で、流れ星が見えるとは思ってもみなかった。

    また、見えないかと夜空を見上げていると、「あっ!」

    願い事なんか、する余裕もないくらい一瞬だったが、綺麗な流れ星だった。

    流れ星が、去った後、ちょっとだけお願い事をした。
    「いい旅になりますように。」と。

    車は再び走り出した。


    漆黒の闇の中に星が散らばる夜空に、山と空の境界線が現れ出した。
    空は、山の輪郭を描くように、少しずつ、じんわりと細くて白い線を描いてゆく。
    山は、まだ黒いままだ。

    ゆっくりと、ゆっくりと、白い線は太くなり、黒い夜空だった空が、少しずつ、紫色へと変わり始めた、瞬間。
    無数にあった星達が、一斉に姿を消した。

    まるで、マジックを見ているかのように、あっ気に取られるくらい。


    カムパ・ラ(峠)へ向けて、ワゴンは進んでゆく。
    ジグザグ道を標高を上げながら、わりと速いスピードで、登ってゆく。


    空は、徐々に明るくなり始め、肌色の大地が目を覚ましだした。
    青白い空に、肌色の大地、そして黒い一本の線のような、道。

    ワゴンは、ついに、4830mの峠を超えた。

    峠を越えると、朝日に薄っすらと照らされた、ヤムドク湖が、眼下に広がっていた。
    湖の後方には、マンダ・カンリの山(6425m)が神々しく、朝日に照らされている。

    「また帰りに寄りますから。」とガイドは言うが、この瞬間は、今しかないので、車を止めてもらう。

    とてもキレイです。そして、ちょっと息苦しい。

    ヤムドク湖を見て、テンションが上がってきましたが、この旅の出発前日からの睡眠時間が、4時間〜5時間と少なかったので、日が差し込んできた車内では、ウトウトと眠りだしてしまった。

    景色が見たいけど、眠い。

    途中、氷河があるからと、止まってくれたが、犬がいたので、降りることは無く、車内から、写真を撮った。

    景色は、乾いた大地と凍った川と、起伏の激しい山々。

    なんか、ラダックのレーへ行くときに似ている。

    そして、出発してから4時間後の午前11時。
    5年ぶりのギャンツェに到着した。