ポカラのトレッキング(ノーダラ〜サランコット)

    登った道を今度は、下る。
    下りは、上りよりも早く降りられるかと思っていたが、右足が痛みだして、結局、登った時間と同じ時間をかけて下った。

    途中、大きな荷物を担いだ人たちと、何度もすれ違う。
    ここを何往復もするのだろうか?ものすごい、重労働だ。
    しかも、靴を履いている人は少なく、草履の人が多かった。

    また、欧米人トレッカーともすれ違い、あとどれくらいで着くのかと聞かれ、15分くらいだと答えたが、

    その大きなリュックを背負ってじゃ、もうちょいかかりそうかも。
    この青年は、これから2週間のトレッキングだと言っていたが、先が思いやられるくらい、へばっていた。

    日本人の家族とも出会い、上までこんな階段が続くのかと聞かれて、そうなんですよと正直に答える。
    言葉を失う家族だったが、もう少し登れば、ゲストハウスが2軒有り、休めることを言うと、ちょっとは元気になった。

    右足の痛みに耐えながら、フェディに戻って来た。
    何で、こんなに足が痛いのか?
    今まで、快適に歩いていた靴なのに。
    きっと下りの体重が、靴底を圧迫し、若干低くなったのだと思う。
    快適に歩けるギリギリのラインを越えてしまって、今は、くるぶし付近に痛みが走る。


    ゆっくり歩けば大丈夫だろうと、自分に言い聞かし、次の目的地、ノーダラへ行くためのバスを待っていた。
    バスを待っていると、タクシーのオッチャンが、タクで行こうぜ!なんて言ってきますが、ノーと言うと簡単に引き下がる。

    バスは、すぐに来た。
    乗車口に立っている男に「ノーダラ、ノーダラ。」と言うと、男は、首を傾げ、手招いて乗れと合図をしたので、俺は、バスに乗り込んだ。

    クネクネとしたアスファルト道を走ること10分ほどで、ノーダラに到着。
    標高もフェディ(1,220m)よりも高く、ここは、1,500mだ。
    またフェディは、ゲストハウス1軒と数軒の茶屋くらいしか無いが、ここは、ゲストハウス、食堂、商店などがあり、

    ちょっとした街のようになっている。

    バスを降りた俺は、目の前にあるレストランの屋上に上がらせてもらい、そこからヒマラヤを眺めた。
    うわっー!ここからも良い眺めです。
    電線が、ちょい邪魔ですが。。。

    よし!トレッキング、第2ラウンド開始だ!

    トレッキング第2ラウンドは、ノーダラから、サランコットまで歩くことです。
    ガイドブックによると、このルートは、カースキダーラと呼ばれ、尾根の上を歩くので、見晴らしが良いと書いてありましたが。。。


    アスファルト道の車道が通る、側に、舗装されていない道が続く。
    この道が、サランコットまで続く、カースキダーラ。
    なんだか、まだ工事中のようにも見える。
    山を削っただけの赤茶色の道路が、延々と続いている。
    削られた山肌が、まだ新しい。

    とにかく歩こう。先は、長いのだ。

    トラック1台は、かるく通れそうな土の道路。
    右側に、木々や畑を見ながら、足も痛いこともあって、ゆっくりと歩く。
    道路の左側は、削られた山肌とその上に建つ家屋が数軒。
    きっと、あの家からは、ヒマラヤが見渡せるのだろう。

    出発してまだ数分だが、ここからは、ヒマラヤが見えません。
    もっと先へ行けば、景色が良い所へ出るのでしょうか?

    学校帰りなのだろうか?
    外国人の俺に興味を示した数人の制服を来た、少女が、俺の周りを取り囲んだ。
    「ねえ、何人?」「どこへ行くの?」「名前は?」「その本、見せて。」と興味津々の少女達と少年が、ガイドブックを覗き込む。
    少女達は、ページをめくるが、文字が分からないので、みるみる興味が失せていっているようだ。

    「写真、撮ってあげるよ。」と身振り手振りで言って、カメラを取り出し、シャッターを押す真似をする。
    カシャ、カシャと数枚撮り、デジタルカメラでも撮って、その画像を見せてあげる。
    こうして、少しずつコミュニケーションを取っていた。


    しばらくの間、一緒に歩く。
    この道は、1本道なので、お互い進む方向は、同じである。
    少女達は、俺の名前えお呼んで、からかいながら、歩いている。
    「てっちゅやー!」「てっちゅやー」と言って、ケラケラケラ!と大爆笑。

    少女達は、一人、二人と家に帰り、俺はまた一人。
    そして、また誰かに会う。
    今度は、暇そうなオッチャンだった。

    この道路から、ヒマラヤは、1回しか見えませんでしたが、子供、大人と人との出会いが多く、

    景色を眺めながらのトレッキングと言うよりは、人と話しながらの、たんなる散歩な感じでした。
    外国人も2人しか見なかったし、観光地や街では、味わえない良い時間だった。
    それにしても子供達は、何処の国でも、本当に無邪気だ。

    空を見上げると、無数のグライダーが。
    そろそ、サランコットだ。

    ノーダラから歩き始めて、3時間と少し。
    ヒマラヤの展望台として知られる、サランコットに到着した。
    展望台までは、まだあるが、サランコット村には、入った。
    上空の青空には、無数のパラグライダーが、大空を闊歩している。


    うわーっ!あんなん、怖くて、よう乗らんわ。

    サランコットからは、展望台へ行かなくてもヒマラヤが良く見えます。
    アンナプルナが目の前に見える。

    展望台へ行く途中に、石造りの円形の建物があり、周囲は草が生い茂っていた。
    人の姿が見えない。廃墟か?
    その反対側に、丘があるので、そこから、この絶景を眺めよう。

    うわっ!すごい!

    この距離感は、ダンプスからとは、また違う。
    標高800mのポカラから、8,000mのヒマラヤ。
    その高度差が、ここ、1592mのサランコットからは、見渡せます。

    緑の大地に雲を突き抜ける、ヒマラヤ山脈。
    すごい圧倒的で神々しい景色なんでしょうか。
    地上と天上を見渡してる感じです。

    ここまで見えると、清々しい。
    来て良かったです。


    サランコットからの絶景にお別れして、売店でコーラ(30Rs)を飲む。
    あー疲れた。よー歩いた。
    細かいルピーが無かったので、US1ドルで支払うが、おつりが、40Rsしか返ってこなかった。
    1ドル=80Rsなんですが、ここが観光地だからなのか?

    サランコットから、レイクサイドまで、俺は歩いて帰りましたが、足が痛いのに、なんでそんなことしたのか?
    バスで帰った方が、時間を無駄にせずに済んだのにと、後悔。
    午後5時、レイクサイドの宿に到着。

    楽しかったけど、足が痛すぎた。
    ポカラ終了。

    さあ、今夜も祭りへ行こう!