ポカラのトレッキング(ダンプス)

    何処までも続くかと思われた石段をやっと登りきり、着いた所には、簡素ながら食堂やゲストハウスなどが、数軒建っている。
    狭いが平らな場所に出た。
    そんな狭い広場にバスが1台停車している。
    車でも来られるんかい!と、今までの努力が無駄になった瞬間を味わいましたが、もうここにいるので、どうでもいい。

    右側には、丘が見えたので、そこを駆け上がると!
    見えました。

    アンナプルナにマチャプチャレが!
    中央にそびえる、尖った山が、マチャプチャレ。
    両サイドには、アンナプルナ。
    マチャプチャレが高く見えるのは、手前にあるからで、アンナプルナの方が標高は高い。

    青い空にヒマラヤの勇姿が、堂々と目の前にそびえ立っている。
    こんなに近くで、見られるなんて。
    ほんまに、キレイや。
    あの石段を登りきった者だけに、与えられる最高の風景だ。(車でも来れる)


    ヒマラヤが見渡せる丘の上には、誰もいない。俺一人、丘の上に立っている。
    今、俺は、この素晴らしい景色を独り占めしているのだ。

    ポカラへ来たからには、絶対に見ておきたかった風景。
    嬉しいぜ。

    目の前に広がる、素晴らしい景色をファインダーで覗きながら、何度もシャッターを切る。
    きっと、同じような写真ばっかりなんでしょうが、シャッターを切らずにはいられない。

    丘の上で、独り占めしていたヒマラヤ展望ショーも、地元の少年、少女がやって来て、わずか数分で終わった。
    ほんま、来て良かった。
    天候に感謝します。
    ありがとう。

    充分、ヒマラヤを堪能したので、丘を降りて、1軒の食堂へ入る。
    まだ朝ご飯を食べていないので、ここで何か食べておこうと席に着き、メニューを見るが、店のおじさんが言うには、

    今は玉子入りのインスタントラーメンしかないと言う。

    じゃ、それで。


    冷えた身体に、温かいラーメンがしみわたるが、スープは、少ない。
    値段は、街の4倍ほど(135Rs)ペットボトルの水も買ったが65Rsもした。
    これは、高すぎるが、もう水が無いので、仕方が無い。

    さてと、行くか。

    モノクロフィルムが入っている、OM-2を持って、この食堂の奥にある、ダンプスの村を歩く。
    石が敷かれた道には、牛のウンコがたくさん落ちています。
    それを避けるように歩く。

    家屋の数も、思っていたより多く、その多くは、煉瓦作りで2階建てだ。
    そんな家屋の2階の屋根の下には、5色のタルチョがはためいている。
    また、トウモロコシを吊るしている家もあった。
    白く塗られた壁に、青く塗られた鎧窓のような窓が、映えている。
    石で囲まれた敷地の中には、牛舎もあり、それに羊などの家畜。


    村人とすれ違えば、「ナマステー」と挨拶を交わすが、ここの人たちは、外国人に慣れている様子だ。
    子供達なんか、慣れ過ぎで「チョコレート」「マニー」「ペン」などと、平気で言ってくる。
    まあ、子供達は、それでも可愛いのですが、今回は、ヒマラヤには、かなわない。
    今日の主役は、やっぱヒマラヤだ。

    石造りの壁の間からは、アンナプルナが姿を覗かせる。
    この村のどこからでも、マチャプチャレとアンナプルナが見渡せる。

    さあ、そろそろフェディへ戻ろう。
    ダンプス滞在時間、1時間20分だったが、もおう充分だ。
    キレイなヒマラヤも見られたし、楽しかった。
    これを見られただけでもポカラに来たかいが、あったてもんだ。