カーリー寺院を目指して

    ドゥリケルは、カトマンドゥ周辺のヒマラヤのビューポイントの中で、唯一、古都として栄えている街で、標高は、1524メートル。
    ナガルコットよりもヒマラヤ山脈が、近くに見える。

    ガイドブックに載っている、ロイヤル・ゲストハウスを探すのは、苦労した。
    バスを降りて、地図を見て、こっちだと思っていた方角が、全く違う方向で、結局は、人に聞きまくって、

    最後は、小学生に道案内されて、やっと、たどり着く事ができた。
    ゲストハウスの場所は、バス・ステーションと目と鼻の先だった。

    このゲストハウス、名前はロイヤルだが、部屋は、ベッドが二つ置いてあるだけで、なかなか殺風景だ。
    しかもトイレは共同で、汚い。
    こんな部屋なのに、部屋代は、1泊=600Rsもいたします。
    ドゥリケルには、1泊しかしないので、他の宿を見る気は、ないけど、2泊は、したくない部屋だ。

    そんな部屋にリュックを置き、OM-2を持って、街散策へと繰り出した。


    宿を出て、旧市街へと続く石段の坂道を行くと、赤煉瓦で作られた建物が軒を連ねている。
    赤煉瓦の壁をくりぬいて、はめられた木枠の装飾が、やっぱりキレイです。
    石畳の道には、当然、犬もいるが、何でか?ヤギや鴨まで、闊歩している。

    静かだ。
    人がいない訳ではないが、あの喧噪のバクタプルから来た俺にとっては、ドゥリケルは、静かな街のように感じた。
    道行く先々で、子供達が遊んでいる所に遭遇し、OM-2を向けると、人懐っこい子供達は、「ワン・フォト プリーズ!」や「

    ナマステー!」「ハロー!」「ワン・チョコレート!」などと言い、走ってこっちへ来たりと写真の撮りがいがありますが、
    動き過ぎで、なかなかシャッターが押せない。

    しばらく通りを歩いていると、微かに音が聞こえてきた。
    何かやっているのだろうか?と音のする方向へ歩みを進める。
    石畳の坂道の先には、大勢の人が集まって、歌を歌っているが、良く聞くと、お経のようにも聞こえる。
    それにしても、集まっている人たちの服の色が派手というか、色の数が少ない、旧市街の中で、ものすごく目立っている。

    何をやっているのか知りたくて、しばらく眺めていましたが、大勢の人たちの先には、写真が飾られていた。
    あれは、遺影か?
    じゃあ、これは、葬式か?法事か?
    そう思うと、ここに居るべきではないと思い、その場を離れた。


    まだ時間は、午前10時過ぎなので、街から離れた所にある、カーリー寺院へ行ってみる事にした。
    ここからは、ヒマラヤ山脈が、メッチャ良く見えるらしい。

    寒くはなく、どちらかと言えば、少し暖かい気候の中、カーリー寺院を目指し、

    人に道を尋ねながら、ブラブラ〜ブラブラ〜と歩いています。
    途中の道からでもヒマラヤは、見えますが、ヒマラヤを望みながらの散歩は、気分が良いです。

    郊外には、英語でSchoolと書かれた学校がいくつか建っている。
    その通りの先には、道が二手に分かれており、道しるべが指す方向を行くと、目の前には、レンガ作りの門。
    どうやらカーリー寺院は、この先にあるようだ。

    門をくぐり抜けると、石を敷いた階段が続いている。
    レストランもあるようだが、客は一人もいない。
    ガイドブックによると、カーリー寺院へは、ここから約30分ほどだそうだ。

    歩いている道が、石の階段から、コンクリートの階段へと変わった。
    階段は、遥か先まで続いているようだ。
    先は長そうだ。
    数分、歩いただけだが、すでに息が上がって、はあはあと。暑い。


    途中に、ベンチもあるので、座って休憩すると、身体が一気に冷える。
    階段を上ること、20分ほどで、お目当てのカーリー寺院に到着したが、建設中の建物のコンクリートの柱や床があるだけで、

    寺院らしき建物は、どこにもない。
    ただの展望台のような感じです。
    その展望台の下には、軍の施設があり、展望台には、兵士が数人で監視している。

    展望台から見る、ヒマラヤ山脈は、確かにナガルコットよりも近くに感じることは出来るが、軍のアンテナが邪魔して、満足感は得られない。
    軍の施設の先には、広場があり、人もいて、車も止まっているので、行ってみることにする。
    きっと、ここからだとヒマラヤが良く見えそうだ。

    カーリー寺院を後にし、広場へ。

    おーっ!メッチャ良く見えるやん!
    ここで朝焼けを見たら、絶対にキレイやろな。夕焼けもキレイなのでしょうか?
    それに、眼下に広がる、カトマンドゥ盆地も見事だ。

    汗かいて、ハアハア言いながら、上って来た甲斐がありましたが、太陽が傾いた頃、早朝か夕方に来てみたかったです。