朝の風景

    昨日は、ナガルコットの朝焼け、チャング・ナラヤンまでのトレッキングなど、色んな事があったが、
    今日は、カメラをぶら下げ、ひたすらバクタプルの街を歩く。
    そして、写真をいっぱい撮ることだけです。

    ただ、それだけです。
    それが、俺にとっては、大切な事で、旅の醍醐味なんです。
    これがしたくて、旅に出ていると言っても良いと思います。

    日本と違う世界に身を置き、そこで起こりえる小さな出会いに、一喜一憂し、良いシーンを見つけて、写真に収める。

    7時40分に宿を出る。
    ダルバール広場の建物が、朝日に照らされ、わずかにオレンジ色に輝いている。
    まだ観光客も少なく、広場をほうきで掃除している人もいます。

    どこかで朝食を済ませてから、街散策へ出かけたいと思っている。
    歩きながら、屋台や食堂を探しても良いのですが、もうお腹がすいているので、旧王宮近くのレストランへ入る。

    バクタプル風情が感じられるような店構えのレストランで、トマト&チーズトーストとネパリティーの朝食。
    ネパリティーは、ポットに入って出て来たので、3杯くらい飲めたので、体も温まった。


    さて、散策を始めましょうか。
    旧王宮の2頭のライオン像がある場所から、散策開始です。

    カラーフィルムを入れた、ローライ35Tを片手に持ち、街をブラブラ。
    素早く、目測でピントを合わせ、絞りとシャッター速度を組み合わせる。
    そして、チャッ!っていう感じのシャッター音が、心地よく、指に伝わる。

    レンガが敷き詰められた、古都バクプルのメインストリートは、通勤の時間なのでしょうか?
    足早に行き交う人が多く、クラクションを鳴らしたバイクが、その人たちを追い越してゆく。

    女性達は、民族衣装のサリーの上にブランケットを羽織っている人が多い。

    男性は、普通にズボンにジャンパー姿の人が多い感じがした。
    流行のお下げ帽子を被っている人もいますね。

    通りの左右の建物は、商店などの店が建ち並んでいる。

    柱と柱の間にはめられた、シャッター代わりの青く塗られた、板を取り外し、開店の準備に忙しい。

    どの建物もレンガ作りで、木枠の装飾が美しいです。


    中世にでもタイムスリップしたようだ。
    昔ながらの建物が多く残る町並みを1時間も歩かないうちに、フィルムを1本、撮りきっていた。

    しまったな!1本あれば、午前中は、もつかと思っていたのに。

    予定では、ローライで撮りきった後は、OM-2に持ち替えて、撮るつもりだったので、1度、宿に戻って、カメラを交換しようと思い、

    宿へ向かって、歩いていたつもりでしたが。。。

    何か、広場に出て来てしまった。

    何処だここは?

    Duttatraya Squareって文字が見えます。
    昨日、ツーリストセンターでもらった英語の地図を広げて、「ダッタトラヤ広場」の場所を確認してみたら、

    逆方向に歩いていた事がわかった。

    俺の旅では、よくあることです。

    全く、逆方向のダッタトラヤ広場に着いてしまった。
    ここへは、昼から行くつもりだったが、自分の方向音痴さ加減にあきれてしまう。
    しょうがない。

    ローライ35Tに、コダックのモノクロフィルムを入れる。


    レンガが敷き詰められ、石柱が2本、離れて建っている。
    それを中心に、周りには、ネワール建築特有の木彫りが美しい、窓枠が装飾された、レンガ造りの建物が広場を囲んでいる。
    広場にたむろしている人間に混ざって、ヤギも数匹、ブラブラしている。
    どっから来てん!家畜か?

    ガイドブックによれば、このダッタトラヤ広場の中央にある、ダッタトラヤ寺院は、1427年に建立されたのこと。
    そして、この辺りは、バクタプルの中でも、一番古い街並が、残っているらしい。

    そーなんや。

    広場の裏側では、市が開かれている。
    さっそく、そっちの方へ行ってみます。
    ジャガイモ、タマネギなどの野菜が、敷かれたシートの上に、てんこ盛り。
    でっかい、カボチャなんかもあります。

    ため池の周りは、洗濯する人や走り回る子供達など、
    観光地の裏側には、人々の日常が、ありました。

    こういう場所が、俺にとっては観光地なのです。