ヒマラヤトレッキング(〜チャングナラヤン)

    道は、案外デコボコしている。
    車が通れるような道ではないが、バイクは、通っていた。

    それにしても汚い道だ。
    プラスティックの容器やビニール袋など、不燃物のゴミだらけだ。
    土に還らないものを捨てると、蓄積されるだけなのに。
    住民は、そんなこと知らないのでしょうか?
    どんどんとゴミが、蓄積されて、自分たちの生活の場が、汚くなってゆくことに、何も感じないんでしょうか?
    ヒマラヤのキレイな風景を守ろうと言う、意識がないのでしょうか?
    ゴミもその辺に捨てれば良いと思っている、モラルも低い。

    山の斜面に広がる段々畑の風景や青い空よりも先に、目についたのが、このゴミが好き放題に捨てられた、道だった。
    ヒマラヤ風情も萎えます。

    このゴミさえ無ければ、ほんまメッチャ景色が良いです。
    まだヒマラヤは、見えてないけど、濃い緑の山が、どこまでも連なっている。
    家屋の側には、ヤギや牛などの家畜が飼われています。
    家の壁のオレンジ色っぽい感じの土壁が、青い空に良く映える。

    人とすれ違えば、「ナマステー!」と挨拶を交わす。
    今回の旅では、本当にたくさんナマステと挨拶をしていましたが、そのきっかけとなったのが、このトレッキングだったのです。

    出発して、1時間ほど。すでに暑い。
    早朝の防寒対策として、着ていたヒートテックを脱いどけば良かった。


    あっ!ヒマラヤがついに姿を現しました。
    きっと朝焼けを見たからなんでしょうが、ヒマラヤにメッチャ親近感が湧いている。
    右側に雄大なヒマラヤ山脈を望みながら、さらに1時間ほど歩くと、雄大な山々は、姿を消した。

    途中、車道に出るが、すれ違う人たちに「ナマステー、チャング・ナラヤン。」なんて言うと、あっちだ、この道だと親切に教えてくれた。
    これだと迷う事無く、目的地に着けそうです。

    が!

    登りは無いと、書いてあったのに、何故か俺は、幅の広い土の道を登っています。
    しかも、汗だくです。
    すれ違う人もなく、不安になってきた。
    「アカン、絶対に道、間違えたわ。」
    着た道を戻るには、長い時間を歩きすぎた。早く人に会って道を聞かないと。
    予想外の暑さで、持って来ていた水も少なくなって来た。

    しばらく歩いていると、前方から、観光客らしきインド人かネパリが歩いて来たので、道を聞くと、

    このまま真直ぐ行けば、1時間ほどで、チャング・ナラヤンに着くと教えてくれた。

    「はあー、良かった。」

    峠のような、この道を抜けると、眼下には村があり、畑には、菜の花が一面に咲いていた。
    冬のはずなのに、春のような風景だ。

    そして、ナガルコットを出発してから、3時間と十数分後、小さな街、チャング・ナラヤンが見えました。

    ナガルコットを出発してから、約3時間半後、トレッキングの目的地のチャング・ナラヤンに到着した。
    「ふっー!やっと着いた。」
    それにしても暑いな。持って来ていたペットボトルの水は、もう飲み干していた。
    駐車場の仕切りのコンクリートブロックに腰を下ろし、タバコを吸う。
    駐車場には、結構な数の車が停車していて、家族連れで来ている人たちが多い感じだ。


    目の前には、門らしき感じの入口があります。
    あれが、チャング・ナラヤンへの入口か?
    どんな所なんでしょうか?
    リュックが邪魔で、どこかに置いていきたいが、そういうわけにもいかず、背負ったまま、俺は、赤茶色の門をくぐった。

    門を通り抜けると、すぐに売店があったので、そこで冷たいペットボトルの水を買った。
    観光地価格で、ちょっと高めだったが、しゃーない。
    目の前には、お土産屋さんがあり、紅茶などが売られていた。

    石が敷き詰められた、幅の狭い道の両側には、赤煉瓦で建てられた3階建てや4階建ての建物が建ち並んでいる。
    木枠の窓の装飾は、いたってシンプルで直線的なデザイン。
    壁のあちこちには、レンガを抜き、そこに角材が直角に突き出ている。
    角材にくくり着けられた紐には、天日で乾燥させた干しトウモロコシが、壁を埋尽くす感じで、干されています。
    きっと保存食を作っているのでしょう。

    石畳の道に赤煉瓦の家屋、整然と干されているトウモロコシなんかを見ていると、
    一昔前にタイムスリップしたように思えてしまう。
    観光客から見れば、いい風景です。

    1階は、お土産屋などが、多いですが、ここが、通りの先にある寺院の門前町だからです。
    ここ、チャング・ナラヤンには、世界文化遺産にも登録されている、由緒正しきヒンドゥー寺院があります。

    ヒンドゥー寺院って、あんまり良く分かりませんが、世界遺産なので、見てみたいと思います。
    石畳の参道には、ゲストハウスやレストランも数軒あった。

    お腹が空いていたので、ご飯を食べたいが、気がつくと、もう参道の先、寺院に着いてしまっていた。
    先に、世界遺産の寺院を見てみよう。