時間は、午後3時。お腹空いた。
    張掖で、朝ご飯を食べてから、なんも食べてない。

    嘉峪関へは、早く行きたいが、その前に、お腹を満たしたい。
    鼓楼の近くにある、dicosの横にある、小さな店で、酸辛湯(サンラータン・5元)を食べた。
    なかなかヘルシーな料理です。

    食堂を出て、その前の道路を真直ぐに歩くこと数分で、酒泉病院の近くから出ている、嘉峪関行きのバスに乗り込んだ。(2元)

    のんびりとした郊外の風景を眺めながら、約20分ほどで、嘉峪関の街に到着。
    この街は、新しい街ですが、そんなに大きな街では、ない。
    限りある、資源を食いつぶす為に、造られた街。

    ここからは、タクシー(10元)で、嘉峪関へ向かう。

    タクシーの運ちゃんが、あれだ。と指を指した向こう側に見えたのは、おぼろげに見える、楼閣。
    それと、ジグザグの城壁も見えた。

    あれが、嘉峪関か。

    駐車場へと着いた。
    何処にでもあるような駐車場。


    いらっしゃいませ、観光地へ。って感じで、感慨深いものは、何もない。

    チケット売り場へと向かう。もう時間は、午後4時だ。

    チケット売り場へ行くと、一組の夫婦から声をかけられた。

    彼らは、現地ガイドと、ここから先にある、懸壁長城と万里長城第一敦(土へん)へ行く段取りを話し合っていた。
    そこに、俺を誘って、シェアしないかと、言って来たのだ。

    俺に英語で、話しかけて来た夫婦は、俺を取り込もうとするが、時刻は、午後4時を過ぎている。
    ここを含め、それぞれの閉館時間は、午後6時だ。
    あいにく、まだ夏時間の設定には、なっていないので、あと2時間で、3カ所は、キツいでしょ。
    それぞれの距離も、けっこうあるし。
    (夏時間は、午後8時まで。6月からは、夏時間だったような?)

    俺は、その申し出を断り、チケットを買ったが、チケットは、その3カ所を含めての値段だった。(120元)
    ただし、移動手段は、自費でって、書いてました。

    もっと早い時間に、ここに来ていれば、行ってみたかったけど、ここさえ見られればと、思っていたので、後の2カ所は、諦めた。
    時間が、遅いこともあって、観光客も、メッチャ少ない。

    改札口の様なゲートを通り、嘉峪関へ向かう。

    遊歩道を通り、城門へと向かう。


    嘉峪関は、明の時代の城郭で、この時代の万里の長城の西端にあたります。
    あの長い、長い、万里の長城の端っこなのです。
    河北省の山海関から、始まった、8852kmに及ぶ、万里の長城の終着地点が、ここ嘉峪関なのです。
    さらには、1987年に世界文化遺産にもなっている。

    そう思うと、何か、感慨深い気持ちになってきました。さあ、行こうか。

    嘉峪関が作られたのは、明の時代の1372年。11mの城壁の上には、3層の楼閣が、3つ建っています。
    写真では、見た事あったけど、実際に来てみると、思ってた以上に、素晴らしい所でした。

    また、旅の直前に調べた情報では、テーマパーク状態という、記事もあったが、
    夕方なので、観光客が少なかったためなのか、そのような感じは、しなかった。

    池沿いに作られた、遊歩道を歩き、嘉峪関の城門へと向かう。
    レンタルサイクルもあります。

    ノコギリの刃のような、ジグザグの城壁と楼閣の一つが、顔を出しているかのように、見える。
    やがて、小さな城門が、現れ、ジグザグの城壁が、デコボコへと変わって、見えるようになった。
    城門の横には、高い位置に見張り台がある。

    門を抜けて、コンクリートの道を歩き、城塞へと向かう途中には、説明書きの看板があり、日本語でも書かれていた。

    緩やかな坂を進むこと数分。

    やあ!やあ!やあ!見えてきました。
    久しぶりに、かっこ良い、建造物。


    城壁は、茶色っぽいかと、思ってましたが、かなり黄色だ。
    その上には、3層の楼閣が、乗っかっている。

    さあ、入ろう。

    2層の楼閣風の城門を抜けると、寺院があったが、ほとんど土産屋です。
    価値があるのか、ないのか、そんな物が売っています。

    圧迫感がある、黄色い城壁を見上げるように、歩みを進めると、
    「天下第一雄関」と書かれた、楼閣が見える。
    これは、明の時代から、現存している建物なのだろうか?
    階段を上り、城壁の上へ。

    建物の中へは、入れないが、景色がいいです。
    でっかい大地と山脈が見えます。
    そして、嘉峪関からも続いている、明時代前の万里の長城も低いですが、どこまでも続いている。

    レンガで造られた城壁には、矢狭間もあります。四角い穴が、そうです。

    昔は、ここに、どれだけの人が居たのでしょう?
    あんま想像つきませんが、こんな殺風景な所、出来れば来たくなかったでしょうね。
    なんて勝手に想像したりしながら、城壁を降りて、一番奥にある、楼閣へと向かう。

    アーチ状のトンネルのような門は、石畳が敷かれている。
    馬車が、何度も通った跡なのか、石畳には、轍が出来ている。


    城壁に造られた階段は、半分が階段状になっていて、もう半分は、坂の状態。
    ためしに歩いてみましたが、けっこう滑って、危ないです。
    これも防御なのでしょう。

    階段の先には、最後の楼閣が。

    ここからの眺めは、ゴビ灘が見渡せます。
    何もない大地には、電柱と電線が、見えるくらいです。うーん、気持ち良い!

    真下では、駱駝さんと馬が、います。

    観光客相手の商売なんですが、ちょっと行ってみます。
    城壁を降りて、嘉峪関の外へ。

    今まで、見て来た嘉峪関も良かったのですが、ここから見る、嘉峪関が、一番好きかも。

    もっと遠くから見てみようと、駱駝と馬を避けながら、しばらく歩いた。
    すでに時刻は、午後6時前。
    太陽は傾き、黄色い城壁をオレンジ色に染め始めた。

    少しだけですが、ゴビ灘を歩き、遠くから、嘉峪関を見ていると、やっと、外国に来たなと、感した。
    違う世界に来たなと。