寝台バスのベッドは、とても狭い。
    本来、足を入れるスペースに、リュックを入れているため、さらに狭くなった。
    ついでに横幅も狭い。明らかに太っている人は、止めた方が良いと思います。
    ベッドに横になって、体を動かすのが、つらいと思いますから。。。

    俺は、音楽を聴きながら、横になる。
    パンとジュースは、もうとっくに無くなった。
    道路は、工事中が多く、渋滞が多いし、また道の状態も良くない。
    デコボコとした道路が続いています。
    なので、遅い速度でバスは、走っています。

    張掖まで、何時間かかるか分からないけど、真夜中ではなく、朝に着いてくれた方が、ありがたいと思っている。

    しばらく眠っていたらしく、起きると、時間を確認した。
    「11時か。」周りの景色は、真っ暗なので、どこを走っているのか、全く分かりません。
    河西回廊を走っていると言う、感慨深いものなんて、全く得られない。
    ただ、デコボコ道を走っているだけです。

    途中、トイレ休憩のためバスは停車。
    ただ路肩に停車しているだけです。男は、その辺で、女は、茂みの方へ行って。
    俺は、外へ出てみたが、風が冷たくて、寒い。

    バスへ戻り、再び眠る。
    今度は、深夜1時に目が覚めた。
    そして、すぐにまた寝たと思う。鼻が詰まり出した。

    張掖の鐘鼓楼

    今度、起きたのは、5時。まだ外は、暗い。
    どんどん西へ移動しているため、少しずつ日の出が、遅くなる。
    目を凝らし、外を見る。どこかに現在地が、分かるような看板なんか、無いのかと。
    あった!バスは、山丹と言う街に、入るところだった。

    俺は、地図で山丹と言う地名を探す。
    あった!張掖は、次だ。
    急に目が冴えて来た俺は、クツを履いた。
    すでに眠気は、なくなり、身も心も降りる準備に入った。
    そして、バスは、そこから1時間後の午前6時に、張掖の何処かのバスターミナルに到着した。

    リュックを背負って、バスを降りた。
    明け方の張掖は、ちょっとだけ、寒いと感じた。

    ちょうど運転手もバスから降りたので、俺は、運ちゃんにガイドブックの地図を見せて、現在地を教えてもらった。
    ここは、張液の東バスターミナルだと分かった。

    ガイドブックの地図の縮尺は、あまり役に立たないので、運ちゃんに、歩いて、街の中心まで、行けるか?と聞くと、
    行ける。と言う事なので、バスの周囲に、集まっている数台のタクシーに、不要と言い、俺は、歩き出した。

    腕時計を見ると、6時15分。
    まだ、空は、明るいとは言えない、紫と青のグラデーション。
    行き交う人も、ほとんどいない。
    大通りの、東大街の通りの店は、シャッターが降りたままで、静かだ。

    15分も歩かないうちに、張掖の街のシンボルでもある、鐘鼓楼が見えてきました。
    「おー!これが。」思わず、ケータイカメラでカシャ!けっこう、重量感がありますね。
    西安のと比べれば、小さいですが、これはこれで、良い感じです。

    空もだいぶん明るくなり、朝らしくなってきました。


    さあ、宿探しをしなければ。
    宿は、この辺りで決めたいと思っていますが、早朝のため、どこもドアに、鎖が掛けられている。
    困りましたね。
    別に、歩き疲れたわけじゃないのですが、早く、落ち着きたい。

    鐘鼓楼から、北へ少し、歩いてみた。
    ほんま、すぐ歩いた先に、開いている宿があり、中を覗く。
    中へ入り、フロントへ行き、中国語で、「部屋、ありますか?1泊いくらですか?」と聞いた。
    エレベーターで3階へ行き、部屋を見せてもらう。
    何も言う事は、ございません。OKです。

    この宿、「北辰賓館」は、今回の旅のアタリ宿でした。1泊=140元。
    1泊しかしなかったが、ほんと居心地の良い宿でした。

    まだ時間は、7時過ぎだったので、宿の服務員に、「どこかご飯を食べられる所は、ありますか?」
    と聞くと、交差点の先に、自助(セルフサービス)の店が、あるから。
    と言われ(筆談)で、場所を教えてもらう。
    宿からも見えていたので、信号を渡り、“粉世界”と言う、店へ。

    レジで8元を払って、お皿に、食べたいものを取って行きます。
    しかし、品数は、少ないので、あまり選択の余地はなかったですが。。。

    肉まん、漬け物、プレートに載せ、お粥と豆乳を取って、通り沿いの窓側の席に座る。


    体操服を着た、小学生達が、学校へと向かっているのでしょうか?
    窓から見えるのは、そんな光景。

    張掖は、旅の計画を始めた頃は、行きたいと思っていた街だったんですが、旅が間近になって、
    計画を見つめ直したときには、取りやめた街でした。
    その時は、酒泉2泊、敦煌2泊と言う、段取りでした。

    でも、旅を始めてから、やっぱり行かないといけないと感じた街だったので、
    酒泉は、1泊にしよう。張掖へ行こうと、天水で行く事を決めたのでありました。

    これまでの旅の中で、直前に決めて、行った街が、とても良かったことが、何度もありました。
    中国では、泉州、汕頭や梧州、ルイリーなんか。
    張掖もそうです。
    何か、とても良い予感がします、この街には。

    そんな事を思いながら、ちょっとだけ、ベッドで眠ります。
    やっぱ、1泊2日の移動は、疲れました。