方向転換

     僕はとても悩んでいました。
    今回の旅もコラート(ナコーン・ラチャシーマー)からバンコクへ行って、帰国するだけとなってしまった。
    旅を終わらせたくはないけれども、そろそろ旅も終わりなのか?という実感もない。
    でも、このままスンナリ、バンコクへ行くのは、なんとなく気が重かった。
    あまりにもストレートすぎるし、俺らしくもない。
    もっと、もっと旅を楽しまなければ。旅の長さに慣れきって、気が緩んでいるのが自分でもわかる。
    それに、バンコクは、もう2回も行っているので、10日間もいても、しょうがない。
    どうしよっかなぁー。と悩んでいました。

     プーケットあたりで休もうかな?とも考えたが、タイ国内でもっと行きたい場所は?と自問自答してみたところ。
    やっぱり俺はもう1度、あそこに行ってみたい。どうせ、骨休めをするのだから、居心地が良かった所に行こう!
    そう心に決めた俺は、バスターミナルへ行きキップを購入したのは、昨日のことだった。

     コラート最終日の今日は特になにもしてません。
    バスターミナルの近くにでっかいスーパー・マーケットがあるので、そこをブラブラ。
    日本で言うならばダイエーのような所におりました。
    日用品を眺めたり、食品売り場に行ったりと、タイの郊外型デパートは、日本と似たような感じです。
    おやっ!おいしそうな焼き魚が売っています。久しぶりにこんなん食べようかな。
    試食をするとおいしかったので、昼飯はこれにしようと「店員に1匹もいらんから半分にして。」と頼んだが、それは出来ないらしく、1匹を購入。

    ナコーン・ラチャシーマー(コラート)にて

     ホテルへ帰り、テレビを見ながらの昼食。
    やはり、1匹は食べきることが出来ませんでした。1/3ほど残し、バイバイ。
    あーもったいない。でも置いていたら確実に腐ります。
    今日は日曜日なので、お楽しみのドラマもやっていません。ヒマだ。
    なんかゲストハウスが懐かしくなった。

     昼からも特にやることもなく、デパートへ行き、欲しい財布を買ったり、カフェでコーヒーを飲みながら、友達に手紙を書いたりしてました。
    モダンなデザインのワット・サラ・ロイへも行きましたが、暑いし、やる気もない。
    夕方になり、今度こそは、ゾウさんと、ナイトバザールの写真をとろうと行ったが、しかし、今日はゾウさんは来なかった。残念。
    ナイトバザールの屋台で晩飯のマカロニとトマトを炒めた料理を買い、部屋に持って帰った。
    食後はテレビを見ながら、Black Catというウイスキー(安物)をチビチビやっておりました。
    メコン・ウイスキーよりかは、マシです。

    ナコーン・ラチャシーマーのバスターミナル

     翌日、バスに乗り込んだ俺が向かった地は、ここコラートからバスで11時間半。
    チェン・マイです。1ヶ月ぶりに訪れたチェン・マイは少しばかり、変わっていた。
    そして、俺のホテル生活も終わりにして、今日からは、またいつものようにゲストハウスです。




    Nice To Meet You

     またチェン・マイに来てしまった。
    以前来たときは、まだ旅の中盤だったこともあり、買いたい物など、諦めていたが、今回は旅の終盤なので、あのとき買えなかった物を買って、旅のストレス解消をしたい。
    それと、前回知り合った人達にも会いたい。
    それになんてったって俺はチェン・マイの街が好きだ。
    まぁ、こんな気持ちで、コラートから11時間半かけて、再びタイ北部のチェン・マイへ来ました。

     1泊=150Bの部屋を後にした俺が向かったのは、ナイト・バザール。
    チェン・マイのナイト・バザールは観光化されているが、ここのナイト・バザールは俺のお気に入りだ。
    それともう1つ、以前知り合いになった彼女に会いに行くことだ。
    彼女は俺のことを覚えていてくれているのだろうか?
    「誰?」って言われたら、どうしようか?なんか不安。
    俺は少し緊張しながら、彼女の所へ向かった。

     「サワディー・カップ!」と挨拶をすると、彼女は、俺のことを覚えていてくれていたらしく、少しビックリした様子で「サワディー・カップ!」と言い、「あなたのこと覚えているよ。いつチェン・マイに来たの?」
    俺は「Today Evening.」と言うと、さらに彼女はビックリしていた。

    チェン・マイの街

     「これっ、以前はなかったよねー。カワイイね。」と俺がその商品を見ながら言う。
    彼女も気に入っている。と言っていたと思う。その後、少しだけ会話?というか、俺はあまり英語がしゃべられないので、日本語と英語が混じった俺の言葉を笑顔で聞いてくれていた。
    彼女の笑顔が俺をチェン・マイに引き寄せたに違いない。などと、
    俺は自己中心的なお気楽な妄想をしていました。
    こういう勝手な解釈は、一種の旅の病気です。

     楽しかったナイトバザールを後にして、
    晩飯を食いに、俺はこれまた以前良く通っていた屋台をめざした。
    しかし、そこに屋台はなく、1軒の食堂に変わっていた。
    その食堂には以前のおっちゃんが腕をふるっています。
    出世したのネ。おっちゃん。俺は席に着き、「1ヶ月前ここの前でやってたよネー?」と聞くと、おっちゃん、俺のことを思い出したかのように、おおっー!とビックリとして、とても嬉しそうにしていた。

     食後はこれまた、以前よく行っていたインターネット屋へ。
    ここの店の妊婦の奥さんは、以前よりもだいぶんお腹が大きくなっていた。
    そしてこの近所には以前はなかった、ゴー・ゴー・バーができております。

     以前出会った人達に会うことが出来たが、時間を持て余すことが多く、
    デパートや本屋へ行ったり、喫茶店へ行き、これまでの日記を読み返してみたりと
    これまでの旅を思い出しながら、ダラダラとした日々を送っていた。

     チェン・マイ5日目は、最終日です。明日はとうとうバンコクへ行きます。
    なんもしてないけど、まだ居たいと思わせる、チェン・マイの魅力って何だろう?
    ナイト・バザールの彼女とも今日でお別れなんて、寂しいです。
    彼女の店へ行き、明日チェン・マイからバンコクへ行くことを言い、
    俺は「あなたと出会えたからチェン・マイは楽しかったです。ありがとう。」とお礼を言った。
    彼女は英語で「Nice To Meet You. See You!」と
    ほんと、チェン・マイ。また来たいです。