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    長い長い1日

    2011年9月末に、写真展Asian Generation-中国編-が終わり、次は、どうしようかと考えていた。

    流れで言えば、シルクロード編を撮りに行くのが、良いねんけども
    どうも展示をするということが前提で、写真を撮りに行くと、プレッシャーが重くのしかかり、
    力が入りすぎてしまい、いい結果には、つながらない。

    5月の中国の旅が、そうだった。

    展示が終わったってことや、Asian Generation~編っていうのも一段落着いたので、写真なんか関係なく、もっと自分が素直に行きたい場所へ行こう。
    前から見てみたかったヒマラヤを見に行こう!
    時期的にもメッチャ良いはずだ。

    行き先は、結構あっさりと決まった。

    7年ぶりに行く、ネパールは、色々と変わっているのでしょうか?
    不安は、少々。期待は、大きい。

    トリブヴァン国際空港に到着した俺は、大阪でビザを取得していたので、スムーズに入国し、
    荷物が出てくる場所で待っていると、広州からカトマンドゥまでの飛行機で隣りの席に座っていた
    日本人のおじさんに、「また会いましたね。」なんて声をかけられた。

    おじさんは、空港内でビザを取っていたので、どこでビザを取っていても、さほど変わりはないようだ。

    空港を出ると、多くのネパール人が、誰かしらを待っている。

    飛行機を使う旅に慣れて来たのか、空港に着いたぐらいじゃ、あまり感慨深い気持ちはない。


    それよりも早く両替をして、街へ行く手配を済ませなければ。
    両替屋は、すぐに見つかり、US100ドルを両替して、8,240Rs(ルピー)になった。
    レートは、良く分かりませんでしたが、このレートは、タメルの両替屋より若干低い程度だ。

    両替を済ませた俺は、すぐ近くにあるカウンターでタクシーチケットを買った。
    空港から街までは、600Rs。昼間なら、500Rsだ。
    これは、決められた金額なので、値切る事はできない。

    リュックを背負い、タクシーへ向かうが、日本のようなタクシーではなく、ボロボロの軽トラックです。
    ドライバーに「タメルへ行ってくれ。」と告げると、タメルの何処だ?と言われ、
    泊まる所が決まっていない俺は、返答にとまどり、7年前にとった宿の名前を言ってみたが、
    ドライバーは、その宿は、知らないらしい。

    しょうがないので、客引きが勧める、タメルにある宿へと向かう事になった。
    タメルとは、カトマンドゥにある安宿、中級ホテルなどが集まっているツーリストエリアです。

    俺の腕時計の時間は、広州で合わせたきりなので、手元の時計が指している時間は、午前1時30分。
    ネパールの時間では、多分、午後11時くらいだと思う。

    7年ぶりに見る、カトマンドゥの街なんですが、街灯も少なく暗いので、良く分かりません。
    タクシーは、人気も少ない住宅街を走っているようにも思えた。

    20分ほど走り、タクシーは、客引きが勧めた宿へ到着したと言った。

    何か真っ暗で、人っ子一人いません。
    クラクションを鳴らすが、誰も出てこない。
    俺は、タクシードライバーの兄ちゃんに、「タメルへ行ってくれ!」と言うと、ここは、タメルだと言われた。
    こんな、誰もいない所が、タメル?
    そんなはずは、ない!
    そう思った俺は、「タメルチョークへ行ってくれ」と言った。
    きっと、そこへ行けば、見覚えのある場所を思い出すはずだ。

    車は、方向転換し、暗闇に近い道路を走り、わずか数分で、ここだと言われ、俺は、タクシーを降りた。

    タクシーを降りた俺は、周りを見渡した。
    なんとなく見覚えがあるような。
    しかし、雰囲気が違うような?
    暗いし、静かだ。


    ウソや。と思うえるくらいに、閑散としている。
    いくら夜中の12時だといっても、この暗さに、人の少なさ。
    ほんまにここは、タメルなのか?

    ほとんどの店は、すでに閉まっていて、周りには、数人のネパール人が歩いていて、やせ細った犬が時折、通り過ぎる。
    銃を携えた警官が、数名いる。治安は良くないのか?

    俺は、警官に「ここは、タメルチョークなのか?」と聞いた。
    警官は、そうだと答えた。

    もう一度、周りをゆっくりと見渡すと、目が慣れて来たのか、なんとなく思い出して来た。
    信じられないが、ここはタメルだ。
    7年前、真夜中でも音楽が鳴り響いていた、あの騒々しいタメルとは、まるで別世界だ。

    さあ、宿を探さないと。
    真夜中に着いて、宿も決まっていないなんて、初日からハードルが高い。
    とりあえず、売店でライターを買って、日本から持って来ていたタバコを吸う。
    フッー。どっちへ行こうか?

    方角が良く分からないまま、俺は歩き出した。
    どこもシャッターが降りているし、通りには犬が多い。
    明かりが点いている所があれば、そこで良いと思っている。

    中国系の長城賓館と言う宿が、開いていたので、中へ入り、レセプションで値段を聞いた。
    今日は、もうどこでも良いと思っている。
    しかし、値段は、1泊=US30ドルだそうだ。いくらなんでもこれは高すぎる。
    しばらく悩むが、もう一軒、行ってみてダメだったら、戻ってこようと思い、俺はここを出た。

    こういうことになるのだったら、日本でホテルを予約しとけば良かった。空港からの送迎付きで。
    タメルやから、余裕やと考えてました。

    ここと同じ通りに、明かりが点いているゲストハウスの看板があったので、入口の上にあるブザーを押した。
    数回押して、中からガチャガチャと扉を開ける音がして、兄ちゃんが出て来た。

    部屋を見せてもらい、1泊=400Rsだと言う事なので、ここにチェック・イン。
    やっと落ち着いた。

    緊張感から解放されたら、お腹が空いてきたので、何か食べ物と飲み物を買いに、外へと出た。
    タメルチョーク近くの売店で、水、コーラ、ウイスキーを買って、サンドイッチ屋さんでハムサンドを買って、部屋へ戻った。

    「あー、疲れた。」

    旅が始まったというか、やっと長い長い一日が終わったって感じだ。