やっと、着いた。
今回の旅のゴール地点である街、敦煌。
たった1週間で、短い滞在を繰り返し、ここまで来られた事が、すごいなと、思いました。
このバスターミナルには、ウルムチなど、新彊ウイグル自治区へ行くバスもあり、ずいぶん、遠くへ来たなと、実感した。
感傷に浸ってる場合じゃない。
早く街中まで行って、宿を探さないと。
バスを降り、一番最後に荷物を受け取った俺は、バスターミナルを出た。
バスターミナル内では、莫高窟などへ行く、1日ツアーの客引きが、声を掛けてきますが、
着いたばっかりで、何も分からない状態なので、パス。
砂埃が舞い、照りつける太陽の日差しで、道路が、黄色く見える。
青い空の下には、この地域特有の緑の葉をたくわえた街路樹が、わずかな風に揺れている。
敦煌は、今までの街と、何かが違う。
ここは、砂漠の中に出来たオアシス都市。
こんな風土に出会ったのは、初めてかもしれない。
今まで行った、中華文化圏の街で、これほどまでに異国情緒を感じたことは、なかったのではと思う。
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敦煌のバスターミナル
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敦煌の街の中心
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歩いて、街へ向かっているつもりですが、ここは、一体何処だ?
現在地が、全く把握できていない。
地図を見る限り、街自体は、大きくなさそうなので、大きく逸れていることは無いと思うけど。。。
とりあえず、人に道を尋ねてみた。
敦煌の街の中心は、琵琶を持った像がある場所が、中心なので、ガイドブックに載っている写真を見せて、
ここへ行きたいと言う感じで、尋ねると、ケータイを持った兄ちゃんは、
とても親切に、現在地から、街の中心地までの道順を教えてくれた。
「謝謝。」と言って、俺は、再び歩き出した。
角を一つ曲がって、ここから、真直ぐ行けば、良いらしい。
角を曲がる前くらいから、見慣れた中国の街の風景になっていた。
バスターミナルから、ここまで感じていた、異国情緒は、すでに影を潜めた。
歩く事、数分で、街の中心である、反弾琵琶像の前へ出た。
地図で、どう歩いたかを確認した。
どうやら僕は、沙州南路を北へと歩いていたようだ。
街は、ここを中心に東西南北に広がっていますので、この辺りで、宿を探したいと思います。
ここ敦煌が、最後の街なので、あまり値段は、気にせずに、さっさと決めます。
ちょうど目の前には、郵便局があり、そこに郵政賓館と言う宿があったので、中へ入り、部屋を見せてもらう。
特に物申す事は、なかったので、ここにチェック・インしました。
(1泊=190元。日本円で約2500円)
今回の旅は、短い旅なので、バックパッカー的な宿には、いっさい泊まってません。
あまり旅人には、関わりたくないって言うのも、あります。
短い旅なので、一人が良いです。
時刻は、すでに午後4時半。
とりあえず、明日もあるので、今日は、近場をブラブラしてみよう。
まだ、地理も把握できてないし。
さあ、行こう。
近場と言っても、何処へ行っていいのやら?
敦煌の見所は、郊外に多いので、今からじゃ時間的に余裕がなさすぎるので、
今日は、街散策にしようと、OM-2を持って、街を歩くが、やっぱり、どこか行こうと思い、
タクシーを捕まえて、向かった先は、沙州故城(敦煌故城)だ。
沙州故城(敦煌故城)は、昔の敦煌の城跡。
現在の敦煌の街は、清の時代(1725年)に移された。
それ以前の敦煌の街は、沙州故城が中心だったようだ。
残っているのは、崩れかかった城壁と見張り台だけとガイドブックに書いてあった。
でも、ガイドブックにも載っているので、行って損は、ないだろうと、行ってみました。
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街から、沙州故城までは、タクシーで10元。
党河と言う、川に架かる大きな橋を超えて、すぐのところにあります。
こんな距離やったら、歩いてこられたな。
タクシーのおばちゃんが、こんなところ見ても無駄やでって顔をしていますが、
ちょっと行ってくる。と言う感じで、僕は、沙州故城へ向かった。
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歩いてすぐに、目についたのが、ゴミと人糞。
ここは、地元の人の野外トイレとなっている。
城壁の下や、見張り台の土塁の上には、ウンコが、あっちにも、こっちにもです。
乾燥している土地柄なので、臭いは、ないけども、汚いです。
見るのも無惨な状態の沙州故城。
更地になり、ショッピング・センターが出来るのも時間の問題です。
地元の人は、これを文化財だと思ってないんでしょうね。
あまりにもヒドい扱いです。
10分も居ることもなく、タクシーに戻った俺に、おばちゃんが、白馬塔へ行くか?と聞いてきます。
どうやら、ここから近いらしい。
せっかくやから。と行く事にした。
沙州故城から、タクシーで10分弱程度。郊外の農村地域にあります。
レンタルサイクルで、来ていた欧米人旅行者が、俺に向かって、タクシーで移動とは、贅沢だねって、
感じで、言ってきましたが、成り行きこうなってしまった事を説明できるほど、俺の英語力は、達者じゃない。
入場料は、15元。
夕方の5時を過ぎているので、観光客は、誰もいない。
入口から塔までの通路の両側には、土産屋が並んでいるが、営業しているのは、2軒だけ。
通路の先には、もったいぶるかのように、壁がある。
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沙州古城
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白馬塔
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その先には、だだっ広い広場に、ポツンって感じで、肌色のチョルテンのような、塔が建っています。
「はあー、これが。。。。」
入場料も取られただけに、期待していたのに、裏切られた思いで、ため息と落胆が、交差する。
しかし、この塔の歴史は、古く、384年、高僧が経典を担がせていた白馬が、
死んだために建てられた塔で、簡単に言えば、白馬塔は、その馬の墓です。
敦煌で買った、日本語訳のシルクロードの本には、言い伝えが書かれていますが、訳し方が、下手で、ちゃんと理解できません。
まあ、馬の墓です。
せっかく郊外にいるのだから、ちょっとブラブラしたいなと、思ってもみましたが、
ちゃんと帰れるかと不安なので、再びタクシーに乗って、街へ。
クソだらけの沙州古城に全くつまらん白馬塔に結局、タクシー代、40元もかかってしまった。
これは、大損だ。ちゃんと地理を把握しとけば、余裕で歩きで行けた。
途中の田園風景も良かっただけに、もったいない。
時間のない旅は、アカンな。
忙しいだけや。
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