想いは紙ヒコーキに乗って
朝起きて、宿の屋上レストランへ行き、チャイを飲む。
ここで、まともな物と言えば、チャイやコーラなどの飲み物くらいだ。
ここからは、朝日を浴びた、メヘラーンガル城の堂々たる姿が、見渡せ、ブルー・シティーと呼ばれる、ジョードプールの街も見渡せ、そして、かすかにパレスも見える、なかなかのビュー・ポイントだ。
ジョードプールの街が青いのには、理由があるらしく、それは一説には、蚊よけとも言われている。
宿のスタッフの少年が、いちいち話しかけてくるのが、感傷的な気持ちになるのを妨げるが、コイツは、コイツなりに気を遣っていて、なかなか良いヤツなのです。
さてと、朝ご飯を食べに、街へ行きましょう。
宿を出て、右へ行くと、売店があり、ここでよく、タバコや水などを買っていた。
売店の前には、オートリキシャーの溜まり場のような所で、そのまま真っ直ぐ歩けば、汚い公衆トイレがあり、その横にサリーの布地などを扱う店があって、さらに進むと、商店が建ち並ぶ通りに出る。
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宿の屋上から見た、メヘラーンガル城
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僕は、売店から真っ直ぐ歩かずに、左に行った。
白い牛が悠然と歩き、その後には、ウンコが落ちていたりと、するので、たまには足元も見て歩かないと。
少女が「ハロー!」声を掛けてきた店の前には、この地方特有の素焼きの壺が並べられている。
たまに荷台をくくりつけた、ラクダが通り過ぎたりもしていた。
早朝8時のジョードプールの街は、まだ暑さも本格的ではなく、太陽に照らされた木々の緑の葉も清々しく見える。
所々が剥がれた、コンクリートの道を歩いていると、右側にゲートが見える。
このゲートの横には、オムレツ屋さんが、2軒、店を構えている。
日本人旅行者には、有名な店らしいのですが、僕は、知らなかった。
美味しいんだろうか?
ちょっと気になるので、機会があれば、食べてみよう。
ゲートをくぐらなくても、見えるけど、くぐると目の前に見えるのが、時計塔。
ミャンマーでも見たことがあるような石造りの時計塔なので、イギリス植民地時代に建てられたのだろう。
この時計塔が、旧市街の中心地だ。
と、僕の目の前には、昨日出会った、日本人旅行者。
縁がありましたね!と僕達は、挨拶をしてから、一緒に朝ご飯を食べに行くことにした。
ゲートから時計塔までの道沿いは、石畳が敷かれていて、右側には、フルーツジュース屋さんが、並んでいる。今の季節は、ちょうどマンゴーが美味しい時期だそうで、僕達もマンゴージュースを飲む。
この美味しさで、1杯=5Rs(約12円)なのだから、何杯でも飲みたいくらいだ。
時計塔の周りは、ちょっとした広場になっていて、ここでもうすぐバザールが開かれる。
まだ朝だから、この周囲も人が少ない。
時計塔先のゲートを抜けると、昨日の活気溢れる、通りが現れる。
しかし、ここもまだ朝だからなんでしょうか?
人通りが少なく、僕達は、もうちょっと歩いてみようかと、大きな4車線くらいある通りを真っ直ぐに歩いた。
通りの先は、大きな交差点となっていて、僕達は、その手前にあるインド式ファーストフード店とでも言うような店で、唐辛子が入った揚げパンのような物とサモサを店先の段差に座って食べた。
やっぱり辛いし、喉が乾くので、ラッシィを買いましたが、ここも飲むというよりかは、スプーンで食べるといった感じです。
朝会った彼女は、インドを1ヶ月ほど旅する予定でいるが、もうかなりの日数を費やしていて、この先も行きたいところだらけで、果たして、1ヶ月で見てまわれるのかと、言っていた。
「1ヶ月かぁー、今の僕には羨ましい時間だ。」
昼から、彼女と会う約束をして、僕は一人で、メヘラーンガル城へと向かった。
やっと日差しが強くなり、坂道を歩くたびに汗が噴き出してくる。
おまけに、牛のウンコやら、なにやらが混ざった臭いも鼻につきはじめた。
軒先に佇む犬も、日陰から出ようとしない。
赤茶色のデコボコ石畳の道が城まで続いている。
見上げれば、城壁しか見えなかった城の建物が姿を現せた。
城の入口の前の駐車場に着くと、風が気持ちよく、熱くなった体を冷ましてくれる。
そして、何と言っても眺めが、すごくいい!
青い空に、青い街。
高い建物が、ほとんど無いこの街の高層建築は、時計塔だということが良く分かる。
石造りの重厚な城壁を持つ、メヘラーンガル城は、周りにほとんど、自然が無いためだろうか、無表情で圧迫感が感じられたが、建物に近づくにつれて、その第一印象は、徐々に薄らぎ、窓屋や壁の装飾を眺めていると、とても繊細できめ細かい素肌のような、柔らかく優しい感じさえした。
入場のさいに、スタッフから音声ガイドを勧められたが、どうせ英語やろ。わからんは!と断ったが、どうやら日本語の音声ガイドもあるらしく、しまった!と後から後悔。
建物の中は、博物館となっていて、武具などが展示されていた。
ミュージアム・ショップは、とても高級感があり、まるで高級ホテルのフロントみたいでした。
でも、冷房効きすぎで、寒っ!
さすが、3つ目のお城(宮殿)観光だっただけに、感動は薄くはなっていたが、充分に見応えがある、素晴らしいお城でした。
来た道を戻り、宿へ。
水シャワーを浴びて、少し休憩をする。
部屋はファンが2つあり、風を送ってはきてくれるが、それでも暑いのです。
洗濯物は、ほんとアッと言う間に乾くのですが。
emiさんとの待ち合わせの時間近くとなり、ゲート前のオムレツ屋さんへ行く。
ここが、待ち合わせ場所。
まだ来ていないようなので、せっかくなので、オムレツを食べましたが、特に美味しいとは、思わない。
普通に玉子のサンドイッチで、調味料が塗りたくっているだけ。
この店が、なぜ有名なのかも分からないくらいだ。
来るまでこの辺りで、写真でも撮りながら時間を潰そうと、ローライ片手に屋台のかき氷屋さんや、道行く人を撮っていた。
ラクダ、通らないかなぁ〜。
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マンドール・ガーデン遺跡公園
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emiさんと一緒にきたmaliさんと3人で向かった先は、マンドール・ガーデン。
ジョードプールの街から、オートリキシャーに乗って、30分ほど走った所にある、遺跡公園です。
歴史は、古いらしく、ジョードプールの街が作られる以前の王国の首都だったらしい。
遺跡公園の入口には、バスが止まっていたので、バスでも行けると思います。
3人は、まず入口にある売店でペットボトルの水を買った。
この水が、またメッチャ冷たくて、美味しい。
僕は、インドにきてから、暑さのため、毎日3リットルくらいは、余裕で飲んでます。
マンドール・ガーデンは、人も少なく、緑もあふれ、地元の人にとっても憩いの場になっているような公園で、家族連れで来たり、デートで来てみたり、暑さをしのぐために、木陰に陣取って、思い思いの時間を過ごしている。
デリーでもジャイプールでもウダイプールでもよく見かけていたリスも芝生の上を走り回っている。
僕達3人も、木陰で休んでは、3人で紙ヒコーキ作って遊んだりして、なかなか上手く飛んでくれない紙ヒコーキに一喜一憂しながら、無邪気な子供のように、遊んでいた。
遺跡となっている建物は、あまり管理されていないようでしたが、石で彫られた彫刻は、ヒンドゥー建築を見慣れていない僕にとっては、とても楽しく見ることが出来た。
さすがに酷暑気だけあってか、水路は干上がり、園内レストランなのか売店も廃墟な感じ。
そんな、マンドール遺跡公園でしたが、インドの喧騒を少しばかり離れ、ゆっくりとした時間を過ごし、癒されました。
-青い空に、少しの過去を乗せた紙ヒコーキが、吸い込まれるように、消えていった。-
さぁ、これからバザールへ再突入!
いっぱい写真撮ります。
☆おまけ
メヘラーンガル城のチケットです。
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入場料250Rs
写真撮り放題
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